表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由気ままな異世界冒険譚  作者: 鈴野 白
第三章 兎人族
38/75

特訓②

前半ソフィーナ視点です。

 アルマ様と別れた私達は、城にいくつかある訓練場のうちの一つに来ていた。ここでルゥの特訓を行うらしい。



「さて······それじゃあ今から特訓を始めるよ」

「頑張ろうね〜。ルゥ」

「はい!ソフィーナお姉様!ラミアお姉ちゃん!」



 ここに来るまでに何故か私がお姉様呼びされるようになっていたけど、嬉しいからいいことにしている。


 ······別にそんな願望があった訳じゃないからね?


 ちなみにラミアはお姉ちゃん呼びだ。本人も満足してるのか尻尾がブルンブルン動いている。わかりやすっ。



「それで、私は魔法を教えようと思ってるわ」

「私は、弓術は難しいし、身体面かな〜?」

「わかったのです!よろしくお願いします!」



 そうして私達は訓練を開始した。

主な内容は、まず三人で走り込み。少し休憩を挟んだ後、魔力を高めるための瞑想に時間を費やす。

それが終わった後にようやく実践練習になる。



「それじゃあまずは魔法を教えていくけど、ルゥはどの系統の魔法が使える?」

「んーとね。全部!」

「······ほんとに?」

「ホントだよ!中級までだけどね!」

「そ······そう。わかったわ」



 これは想定外でした。まさか全属性を中級まで使えるなんて。教えることが火炎魔法と氷結魔法の上級に値する魔法くらいしか教えられないじゃない。まぁ、仕方ないか。



「ルゥ。私が使えるのは火炎魔法と氷結魔法。だから、とりあえずその二つの上級魔法を教えるわね」

「はい!」



 そう言って私はルゥによく観察しているよう言い、威力を調節した上級魔法を放った。



獄炎ヘルフレイム



 半分程の力で放った炎はしばらく空間を焦がし、その場に留まっていたが、やがて空気に溶けるように消滅した。



「ふぅ······こんな感じよ。まあかなり手加減したけどね」

「わかりました!やってみます!」



 ルゥが見よう見まねで魔法を詠唱した。



獄炎ヘルフレイム!」



 そう唱えるが、出現した炎はかなり小さい。先程の私の魔法の半分以下ぐらいの威力の炎しか出ていなかった。



「あれー?なんで?」

「ルゥ。見よう見まねじゃ無理よ。魔法を使う時にその魔法のイメージを自分の中で構築しながら唱えるの」

「イメージを構築······!やってみます!」



 ルゥのやる気は途切れることなく、数十分は獄炎ヘルフレイムの練習をしていた。少しずつ威力が上がってきていたが、途中でルゥがダウンし背中から倒れた。



「ふへぇ〜」

魔力過剰枯渇マジックゼロね······」



 彼女は魔法の使いすぎで魔力がほとんどの無くなっていた。魔力が無くなると心身共に疲労が蓄積し、立っていられないほどになってしまう。魔法使いにとっては命取りだ。



「次からはペースを考えてやるのよ?」

「はい〜······」

「休憩が終わったら、ラミアから色々と教えて貰いなさいね」

「わかったのです······」



 しばらくしてルゥが起き上がると、少々重い足取りでラミアのところへ向かった。そしてまた色々としごかれ、今日だけで計三回倒れたのだった───。







「それで、そっちはどうだったんだ?」

「アルマ様の方とあまり変わりませんね。何度か倒れました」

「うう〜」

「疲れたね〜レオ」

「そ、そうだね。ルゥ姉ちゃん」



 俺達はお互いに特訓を終え、城の自室で休息を取っていた。



「まあ初日だからな。これから体力もつけていけばいいから」

「はい!頑張ります!」

「私もです!」



 二人がガッツポーズをし、こちらに笑みを浮かべてくる。俺が少し反応に困っていると、ソフィーナから声がかけられた。



「それでアルマ様。特訓はどのくらいやるんですか?」

「そうだな。まああと四、五日くらいかな」

「なぜなのですか〜?」

「いつまでもここにいる訳にもいかないし、セーナ大陸にあるもう一つの亜人族の国にも行ってみたいしな」

「確かにまだ一ヶ月近くありますしね」



 次元の狭間がどこに出現するか、それを調べるという意味でも色々な場所を回っておくのは悪いことではないだろう。皆との旅も楽しいしな。



「と、いうわけだ。だからみんな、あと数日間頑張ろうな」

「おう!」

「はい!」

「や〜」

「はい」



 全員が元気に返事をした後、俺達はまた特訓を再開した。



 そうしてそこから数日は、ひたすら訓練に明け暮れることとなった。レオとルゥだけでなく、俺達も相当なレベルアップを実感出来た。とても有意義な時間だった。







 そして、一週間後───。

ブクマや感想はモチベの向上に繋がりますので、ぜひよろしくお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ