ステータス共有
魔族を倒した後、俺達はこの無駄に広い部屋で休憩し、体力の回復に努めていた。もう一度同じ道を戻るからには、疲労回復は必須だろうというソフィーナの案だった。
「この魔方陣すごいな。体力を回復してくれるなんて」
「ですね。なんだか体が軽くなってきた感じがします」
「でも回復するのは体力だけだから、ちゃんと魔力も回復させておかないといけないね」
そう言って俺達は魔力ポーションを飲んだ。ちなみにこのポーションはウォルテラ王国の城下町で買ったものだ。安価の割に上質であっという間に魔力が回復した。
「そうだ。アルマ様」
「ん?」
「一度、ステータスを見せてもらっても構いませんか?」
「ああ。確かにソフィーナには見せてなかったな」
「私も久しく見てませんね〜」
「そうだったっけ?」
「そうですよ」
「はは。悪い悪い」
ラミアに苦笑いを返し、俺は「ステータスオープン」と唱えた。
《名前》アルマ
《種族》人族
《性別》男性
《年齢》十歳
《レベル》144
《体力》87,630/87,630
《魔力》70,946/70,946
《スキル》剣聖 大魔道士 女神の寵愛 妖精王の寵愛
《剣術》
身体強化Lv.5
瞬足Lv.5
浮遊Lv.5
《魔術》
火炎魔法Lv.5
氷結魔法Lv.5
風刃魔法Lv.5
聖魔法Lv.5
闇魔法Lv.5
魔法創造
「相変わらず凄いですね······」
「さすがアルマ様。惚れ直しました」
少し大袈裟なソフィーナをスルーし、俺は二人に聞き返す。
「一応、全員のステータスを共有しておかないか?」
「そうですね。それがいいと思います」
「ナイスアイデアです!ご主人様!」
「ありがとうラミア。それじゃ、二人とも頼むよ」
「はい」
「任せて下さい!」
そう言って二人も「ステータスオープン」と唱えた。
《名前》ラミア
《種族》兎人族
《性別》女性
《年齢》十二歳
《レベル》40
《体力》2,270/2,270
《魔力》984/984
《スキル》弓の名手
《弓術》
索敵Lv.3
気配探知Lv.3
狙撃補助Lv.5
《名前》ソフィーナ
《種族》人族
《性別》女性
《年齢》十四歳
《レベル》45
《体力》1,510/1,510
《魔力》2,126/2,126
《スキル》氷炎の魔道士
《魔術》
火炎魔法Lv.5
氷結魔法Lv.5
「なるほど。体力はラミアの方が高くて、魔力はソフィーナの方が高いんだな」
「でも、ソフィーナはLv.5が二つもあるし凄いね」
「ラミアこそ、満遍なくアビリティが高水準じゃない。あなたもなかなか凄いわよ」
「そうだぞ。二人ともかなり強い方だと思うぞ」
「······ご主人様に言われるとちょっとへこみます······」
「ラミア······アルマ様とは比べたら駄目なのよ······」
······何故か俺が除け者にされていた。わざと咳払いをして二人の注意をこちらに向かせる。
「それはともかくだ。俺達のパーティーは前衛が一人、後衛が二人だ。これでも十分強いけど、もう少し人数がいてもいいと思っているんだ」
「つまり、パーティーメンバーの増強ですか?」
「ああ」
そう言って俺は後二人、具体的には俺と同じ前衛で戦う人と後衛陣の安全を確保する防御向きな人をパーティーに入れるのはどうだろうか、と相談した。
「うーん······確かにいい案だとは思いますよ。ただ······」
「ただ?」
そこでソフィーナの代わりにラミアが俺に聞いてきた。
「その二人は、女の人なのですか?」
「······はい?」
「それなのですよ。これ以上ライバルが増えるのはごめんですし······アルマ様の左腕は私の居場所ですし······」
後半が尻すぼみになって聞こえなかった。とりあえず聞かなかったことにしておこう。
「······ダメか?」
「ダメとは言いませんけど〜······」
「やっぱり······これ以上のハーレムは許容しかねます······」
「······まあとりあえずここで話すことでもないか。続きはお城に帰ってからにしよう。それでいいだろ?」
「······はい。わかりました」
「そうと決まれば早く帰りましょー」
そうして俺たちはダンジョンの来た道を戻り、ダンジョンを後にしてウォルテラ王国の王城に戻った。
結局パーティー云々の話は、次の日にゆっくり話そうということになり、その日は静かに就寝した。
ブクマや感想はモチベの向上に繋がりますので、ぜひよろしくお願いしますm(_ _)m




