修羅場
ラミアの腕を治療し、泣きじゃくるラミアをなだめた後、俺は彼女と今後の方針について話し合っていた。
「ラミア。さっきも言ったけど君に家事を任せたいんだ。そのことに関しては大丈夫か?」
「はい!全然問題ありませんよ!任せてください!」
先程の弱気な姿はなく、まさに天真爛漫という言葉が似合う程の美少女だった。ちなみに年齢は十二歳で俺よりも二つ年上らしい。
「あの、すいません。一つ聞きたいのですが」
「どうした?」
「私は戦闘には参加しなくてもいいのですか?」
「うーん。家事奴隷として買った手前、あんまり戦闘してもらいたくはないんだよな。······大切な仲間だし」
「え?何か言いましたか?」
「なんでもない。そうだな、ステータスを見せてくれないか?嫌ならいいけど」
「お安い御用です!」
そう言って彼女は「ステータスオープン」と唱えた。
《名前》ラミア
《種族》兎人族
《性別》女性
《年齢》十二歳
《レベル》22
《体力》1,080/1,080
《魔力》468/468
《スキル》狙撃手 兎人族の誓い
《弓術》
索敵Lv.2
気配探知Lv.2
狙撃補助Lv.3
弓術という項目がある辺り、おそらく弓を使うのだろう。索敵や気配探知も、あれば重宝するスキルだし思ったよりも優秀なステータスだった。
「なんか······結構強かったんだな。ラミアって」
「そうですよ!村一番の弓使いだったんですから!」
「それは凄いな。それにアビリティも優秀だし、こんなことを言うのもあれだけどラミアにはぜひ来て欲しい」
「もちろんです!ご主人様の手助けが出来るのですから!」
そう言って彼女は笑顔でガッツポーズをする。うーん可愛い。しかもウサミミがついているので、本当に可愛い。俺はこういう癒しを求めていたのかもしれない。
「ともかく、じゃあまだお昼頃だしここで昼食を食べてから色々と買いに行くか!」
「はい!行きましょう!行きましょう!」
ラミアが戦闘に参加するなら、武器や防具を買ってやらなければならないからな。それがいいだろう。
こうして俺たちは昼食を食べた後、冒険の準備を整えるために買い出しに出かけた。
その後様々な店を周りラミアの武器や防具、私服や戦闘時に着る服など色々なものを揃えた。そしてラミアの冒険者登録のため、俺たちは冒険者ギルドに来ていた。
「ロレナさーん」
「はーい。あ!いらっしゃいアルマ君!」
ロレナさんが笑顔で手を振ってくれる。俺はまだ少し緊張しているラミアの手を握り、一緒に受け付けへ向かった。
「アルマ君!久しぶりね!元気にして······た······」
「ロレナさん?どうしました?」
急に彼女が固まってしまった。一体どうしたのだろうか。
······うん?何やらラミアの様子もおかしい。一瞬呆けた顔をしたと思ったら、急に手を強く握ってきた。
「ラミア?お前もどうしたんだ?」
「······というものがありながら······」
「ん?」
「ご主人様の馬鹿ぁぁ!」
「ぐはぁっ!」
ラミア渾身のビンタが俺の頬に直撃した。あまりの衝撃によろめき、バランスを崩して後ろに倒れてしまう。
「あわわ······大丈夫ですか!?」
「あ、ああ······大丈夫だよ。それより、なんで殴ったの?」
「だって······!ご主人様が女の知り合いなんて······!」
「ちょっと!それどういう意味よ!」
ラミアの言葉に反応してロレナさんが怒鳴る。まあそりゃそうだろう。割と辛辣なこと言われたもんな。
「あ、アルマ君!ご主人様ってどういうことよ!」
「落ち着いてくださいロレナさん。せっかく可愛いのに怒ったら台無しですよ」
「ご主人様!?他の女を誑かさないでください!」
「他の女って何よ!あんたこそ······」
混沌ここに極まれり。
なんだろう。凄いいたたまれない。とりあえず今日は帰ろうかな。周りの視線が痛すぎる。耐えられないよ。
俺がそう考えていると、ギルド長のオルバがやってきた。
「二人とも。他の人の迷惑だ。とりあえずアルマ君も含めて、全員ギルド長室に来てくれ」
ナイスギルド長!ありがとう!助かった!
ベストタイミングで助け舟を出してくれたオルバに心の中で感謝しつつ、俺は二人と一緒にギルド長室へ向かった。
今は1日2回投稿ですが、いろいろと落ち着いてきたら
文章の量を増やして、1日1回投稿にしようと思います。
ご理解の程、よろしくお願いします。
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