討伐:荒くれ冒険者
アリア達と別れた後、俺は王都まで戻ってきた。
「身分証明書かギルドカードの提示をお願いします」
「はい」
そう言って俺はギルドカードを見せる。
「OKです。冒険お疲れ様です」
「いえいえ。ありがとうございます」
ここの人達は基本的に優しくていい人だ。意外と俺の事を覚えている人もいるらしく、時々声をかけられたりする。なんかいいな、冒険してるって感じだ。
俺はそのまま冒険者ギルドへ向かい中に入った。すると、何やらざわついていた。何かあったのだろうか。
「なあなあ、俺らと一緒に来いよ」
「そうだぜ〜?気持ちいい事してやるからよ」
「いえ······仕事がありますので結構です」
「そんなこと言わずにさ〜」
受付でロレナさんが二人の冒険者に絡まれていた。一人は筋肉モリモリで明らかに力が強そうな豪漢。もう一人は至って普通の体つきで恐らく魔法使いだろう。まあ、受付嬢を誑かそうとしている時点でヤバいが。
「まさか俺たちのことを知らないのか〜?」
「俺たちゃCランク冒険者だぜ?」
「知っていますよ。ゴルムさんとレストアさん」
なるほど、大きい方がゴルム。小さい方がレストアか。
「もういいや。おい、ついてこいや」
そう言ってゴルムがロレナさんの腕を掴み、ギルドから出ようと引っ張る。下卑た眼差しを浮かべており、それは彼女の全身に向けられている。レストアも同じような表情だ。ロレナの表情が嫌悪と絶望に染まる。
肝心の他の冒険者達は、見て見ぬふりをしている。恐らく彼らがこの辺りで一番強いのだろう。なんともいえない。
さすがに見かねて、俺は彼らの前に立つ。ギルドに来たばかりだったので立ち塞がるような感じに見えただろう。
「ああ?おいガキ。邪魔だどけ」
「その前に彼女を離してあげてください。嫌がってますよ」
「うるせぇ!ガキの癖に生意気なんだよ!」
そう言ってゴルムが太い腕を振り上げ、俺目がけて叩きつけてきた。ロレナが悲鳴を上げるが、俺はそれを膝蹴りではじき返す。
鈍い音が室内に響き、ゴルムは腕を抑えていた。
周りの冒険者も何が起こったか分からず唖然としていた。
「ふーん。Cランクって言ってもこんなもんか」
「こ、このガキァ!」
ゴルムは怒りのあまり鞘から剣を抜いた。周囲も動揺し、さすがのレストアも焦り彼を止めようとしている。だが、激昴したゴルムには届かない。
「おいおいいいのか?ギルド内での抜刀は禁止だろ」
「うるせぇぇぇ!死ね!ガキがぁ!」
そう言って俺からしてみれば遅すぎる踏み込みと共に、ゴルムが剣を振り下ろしてきた。
「正当防衛成立、だな」
俺は振り下ろされて来た剣を右手一本で受け止める。右手には傷一つついておらず、逆に剣が砕ける音がした。
「パキィッ!」
「────」
一瞬、静寂がギルドを包んだ。誰もが何が起こったのか理解出来ず、ただその光景を見つめていた。
そして剣を失った当の本人はしばらく硬直した後、急にうろたえ始めた。
「なっ······!?えっ······!?俺の剣······が!?」
「うるさい」
俺は一瞬の踏み込みで距離を詰め、狼狽しているゴルムの顎をアッパーカットで打ち抜いた。
ゴルムは宙を泳ぎ、数秒後背中から地面に倒れた。Fランクの駆け出しがCランク冒険者を倒す。その有り得ない光景に、彼らは今日何度目かわからない驚愕の表情を浮かべ、何も発することはなかった。
そんな彼らを放っておいて、俺は彼女に声をかける。
「大丈夫ですか?」
「は······はい······。ありがとうございました······」
そう答える彼女の頬が少し赤くなっていたのに、俺が気づくことはなかった。
まあ、これもよくあるテンプレってやつですね笑
(意外と苦労したのは内緒)
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