新たなる冒険の始まり
冒険者ギルド。自分の腕に自信のある者が集い、様々な依頼を受け、周りの人間と切磋琢磨しながら己を高めていくための場所である。
俺はそんな冒険者ギルドの目の前まで来ていた。
「これがローランス王国の冒険者ギルド······」
大陸一の大国のギルドということで、施設の規模もかなり大きく、往来する人々の数も相当なものだった。
俺はそんなことを考えながら入口の扉を開き、中に入った。
予想以上に広い冒険者ギルドの受付。辺りには受付で話している人、依頼掲示板と睨めっこしている人、お酒を飲んで騒がしい人まで、色々な人がいた。
俺はそんな中、既にできている順番待ちの列の最後に並び、自分の番が来るまで待っていた。
しばらくして、受付嬢らしき人に呼ばれた。
「こんにちは!冒険者ギルドへようこそ!冒険者登録をご希望ですか?」
目が合うと、彼女は朗らかな笑顔で挨拶をしてくれた。
「はい。登録を希望です」
「分かりました!それではこちらに必要事項をご記入の後、銀貨三枚を頂きます。」
必要事項と言っても、名前や年齢、任意でスキルを書くくらいだ。特に何の問題もない。俺はそれを書き終え、銀貨三枚を支払った。
「あ、申し遅れました。私は受付嬢のロレナと申します。以後、よろしくお願い致します!」
「アルマです。こちらこそよろしくお願いします」
律儀に自己紹介をしてくれた。いい人だ。この人とはいい関係を保っておきたいな。
「······はい。OKですね。こちらがギルドカードになります。再発行には金貨一枚が必要なので、紛失には気をつけてくださいね。」
「分かりました。」
「それで、ランクや依頼についての説明を聞きますか?」
「いえ、既に把握しているので大丈夫です。後、道中で討伐したモンスターの換金をお願いします」
「分かりました!報酬は後ほどお渡し致します!」
こうして俺は特にトラブルもなく、登録と換金を終えることが出来た。お金の入った袋を受け取り、ロレナさんに見送られながらギルドを後にする。
その後、俺は《安らぎの宿》という場所に宿泊することにした。適当に選んだのだが、内装は綺麗で、接客も丁寧だったので中々の当たりだった。夕食も良かった。
その日の夜、宿の自室で就寝の準備をしていた。
明日は依頼をこなしたり、王都を気ままに歩き回ることにした。初日だし、慌てる必要は無い。
「ふぁ〜······もう寝るか」
俺は欠伸を噛み殺しながら部屋の灯りを消し、就寝した。
未知の世界への期待を膨らませながら······
この話で一旦の区切りとさせていただきます。
次話で色々な補足説明を挟んだ後、
次章スタート、という感じになると思います。
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