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言葉を重ねるしかないんだ(一日一詩(あくまで目標)

亀の背の上の象の背の上の水槽で

作者: ふにゃこ(水上える)

命がどこから生まれてどこへ行くのかと

問いかけることをたまに馬鹿馬鹿しく思う


なぜ山に登るのかと問われて

そこに山があるからだという答えに感動などするくせに


これは実験だ……

これは実験だ……


なぜ問いを立てるのか

既に疑問が生まれているからだ


問いのために立てる問いは愚かみに満ちていたとしても

だからといって無意味であるというわけでもないね


これは実験だ……

これは実験だ……


誰も優しくなどないのだから

すべての人が優しいのだと信じることも自由だ


答えのない問いがあることを知っているのだから

そこに絶望を見出すのか希望を見出すのかも自由だ


これは実験だ……

これは実験だ……


生きる意味をたずねられて答えが見当たらないからといって

だからすぐに死んでしまおうという人間はほとんどいない


生きることはただの実験だ

命の存在とはすなわちただの実験だ


賢者も愚者も神を信じる者も信じない者も

等しくやっぱり亀と象の背中の上にいる


祈りを捧げるものも捧げない者も祈りでできた世界の上で

概念上の大事な山の上をずっと見上げている


銀河系のさらに外側の宇宙の端から端までのすべてが

尾を噛む蛇の鱗の上だったとしてもいまは証明のしようがない


天動説と地動説なんて結局天も地も死ぬほど動いているんだってこと

かき回されているスープの中のどこか一点決めるだけ


地球の生命の根本が火星から来た可能性もあるなんて

大真面目な学者さんが言うほどの積み上がった謎の数数


これは実験だ!


さてこの広大な実験室の中で

意味あるただひとつのことはもしかすると

観察と記録だけなのかもしれない

そう思うと僕はとても心が楽になって

自由にペンを走らせることができる

誰がそれを無意味だと誹ったところで

それすら記録していくことが僕の、

ここに存在する意味だと信じていられるのだから


すべての記録者へ僕はそのことを伝えたい

ペンを持ち自由であれと


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