表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/115

世界大会編「視察」

日本サッカーに関わる全ての者の想いを受け、ついに重い扉をこじ開けた俺たち。

90分間で迎えたチャンスはたったの1度きり。

難しい1戦であったことは間違いない、ディフェンスは筋的疲労が極限に達していた。

開催国イタリアが敗れ、荒れると思われた会場はスタンディングオベーションで溢れ返っていた。

「やるじゃねーかジャポネーゼ!!」

「さすが俺たちのユウジ!」

「カモ!来年はうちに来い!」

イタリアで最も美しいとされるスコア1-0、「ウノゼロ」での勝利を称え、イタリアリーグに所属している勇士さんと賀茂さんにはとりわけ熱い声援が送られていた。


「くっそー!負けた!!でも俺は負けてねーかんな!や、やめよ! 」

「ああ、今度は負けないよ!」

整列後に駆け寄ってきたセルジーニョは悔しそうに中指を立てようとしたが、俺は強引に握手して、セルジーニョの御法度ボーズをカメラから隠した。

「カモ、ウチに来い。」

「気が早いなぁ。W杯が終わったらゆっくり考えるよ。」

ピッチの中央では激しいマッチアップを繰り広げたジョゼと賀茂さんが話し合う姿が。

互いの健闘を称えあった後俺たちは会場を後にした。


宿舎に戻りスマホを見ると、とんでもない通知の数だった。

どうやら日本では快進撃に大騒ぎのようで、レジェンドたちも鼻を高くしてスポーツ番組に出演しているらしい。

見覚えや面識の記憶が薄い人たちからのメッセージもあり、苦笑いをしていると、美由からの着信がなった。

「あなた、お疲れ様。おめでとう!」

「ありがとう。来未は?」

「寝かしつけたわ。あの子、あなたの顔がテレビに移る度に笑うわ。」

美由の声は落ち着く。披露した身体を癒す声に俺はいつの間にか眠りについていた。


翌日、午前のリカバリーをこなした後、俺たちは次なる対戦相手メキシコ対フランスの1戦を視察に訪れた。

下馬評ではフランスの圧倒的有利、イタリアが敗れた今、ブラジルとドイツに並ぶ優勝候補筆頭だ。

対するメキシコも大会きっての「名曲者」ベスト16の壁に阻まれ続けるが、エネルギッシュなサッカーで毎大会話題をさらう。


「丈留、この試合どう見る?」

「いや、ここでフランスが負けるとは思わないな。」

樫原と俺は身近で見ているチームメイトの凄みを知っている。

バソングのバランス感覚はを見張るものがあるし、クロウはなんと行ってもフィジカルモンスター、中盤の貴公子ジェルマンは言うまでもなく、ベンチにもチームメイトのシャルドネがいた。

「そうかい、正直僕はメキシコが勝つと思っているよ。」

良く反芻して導き出しての答えなのか、直観的なものなのかは定かではないが、試合は意外な展開で進むのだった。


「おらよ!」

挨拶がわりのクロウの強烈なシュートはバーを叩くとイタリアに駆けつけたフランスサポーターは大歓声。

序盤からクロウを中心に攻め立てるフランスはやはり強い。

そんな順調な滑り出しをしたフランスが試合を有利に運ぶと思われた。

しかしながら、後半終盤に電光掲示板に灯されたスコアは0-3。

なんとメキシコが3点リードという予期せぬ展開に。


このままフランスが為す術なく敗れてしまうのか、ピッチサイトではシャルドネが準備していた。

待ちに待った新シーズン開幕!

DAZNセリエAの放映権お願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ