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世界大会編「移民」

 初戦勝利で迎える宿舎の夜。

 イタリアの夜は危険だと言うことで出歩けず、気分転換に俺と光宗、舞川さんはリカバリーを終えたあと、ゲームが好きという米田さんの部屋でサッカーゲームをしていた。


 最近のサッカーゲームは細部までリアルだ、選手の顔はもちろん、プレイモーション、ゴールパフォーマンスまで網羅されている。

 しかしながら光宗は自らを操作し、文句を垂れる。

「いやー、俺こんなシュート下手ちゃうで! 欠陥品やわ!」

「ばーか、これは光宗ちゃんの操作の下手さだよ。」

 ゲーム好きの米田さんは珍しくイラッとした表情で光宗を貶めた。

「俺ちょっとね、燃えてるんだよ。

 自分でも不思議なくらい。」

 光宗との試合を終えた米田さんはコントローラーを置いて、ベッドに寝っ転がった。

「ヨネって何気に負けず嫌いだよな。

 世代別大会の時も負けてただ1人泣いてたもんな。」

 米田さんとの旧知の仲である舞川さんは面白おかしく言った。

 2人は21歳以下の大会でドイツと対戦し、0-4の惨敗を食らった。

 しかしこの大会で2人はヨーロッパからの注目を集めるようになった。

「マイちゃーん、その話はなーし!」

「わかった、わかった! ギブ!」

 米田さんは顔を赤らめながら舞川さんに寝技をかけた。

 この2人は本当に仲がいいようだ、俺は光宗と目を合わせ、笑った。



 試合当日、第2節の会場はイタリア中部のフィレンツェスタジアム。

 第2節はナイトゲーム。

 日本時間では恐らく深夜の3時45分キックオフだから朝が弱い美由は起きれているのだろうか。

 対戦相手は優勝候補のドイツで第1節では難敵スイスを5-0と一蹴している。

 評するならまさにタレント軍団、二列目にはワールドクラスのプレイヤーが揃い、ストライカーのカリウは今大会のワールドカップ通算特典記録の更新も期待されている。

 スターティンメンバーにもベストメンバーが配置され、この試合で突破を狙っている。


 俺たち日本のメンバー変更は2点。

 センターバックは勇士さんに変わってヤンコが入り、舞川さんがスタメン復帰。

 一節で消耗の激しかった実村さんがベンチからのスタートになった。

「みんな! 気負うなよ! 行こう!」

「ウス!」

 竜崎さんはいつも通りチームをまとめ上げ、俺たちは準備万端。運命の1戦に望む。


 スタンドではこの日も五島さんと安倍さん。

 安倍さんは開幕戦のデータを眺め、唸る。

「いやぁ、まさかドイツがこんな多様性のあるサッカーをするなんて僕が子供の頃には考えもしなかったですよ。」

「ああ、泥臭く勝つ、ゲルマン魂のサッカーだったな。」

 五藤さんが語るように、ドイツと言えば決して諦めない姿勢からゲルマン魂と評されていた。

「従来のゲルマン民族以外にもいろんな人種が増えましたよねー。」

「ああ、アフリカ系にトルコ系、何より大きいのはそうした人材を代表として確保した事だ。

 まぁ、あの監督あってしてだがな。」

 バリエーション豊富な人材を掌握するのはドイツナショナルチーム就任10年目のゲッツェルト。

 ハイプレスとポゼッションの融合に成功し、早く、そして美しいサッカーを作り上げた事で、彼の  サッカーを志し、門戸を叩く者が増えたのだ。

 五藤さんはマッテオーリのデータを手に持ち、微笑んだ。

「監督同士の因縁もあるみたいだぜ、楽しみだ。」


 先に行われたスイスとエジプトは3-3のドロー。

 つまり、共に勝てばグループ勝ち抜けが確定する一戦。

 リベンジ、因縁、それぞれの思いの下、グループ最大の決戦が幕を開ける。


ついにW杯まであと1ヶ月ですね!!

楽しみすぎますヽ(`Д´)ノ

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