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チャンピオーネを聴くまで  作者: 登々野つまり
海外編(フランスリーグ)&予選編
76/115

海外編「戴冠にむけて」

フランスリーグに身を起き、俺にとって初のシーズン。

代表選の影響から一時スタメンを外れる試合もあったものの、なんとかここまで走り抜けてきた。

残り試合は3試合だが、今日勝つと優勝が決められる。

次戦からはアウェーが続くため、ホーム最終戦の今節で何としても優勝を決めたい。

対戦相手はフランス西部のボルドーSC。今季は注意に位置するチームだ。


試合は俺たちのホームスタディオパルコで行われる。

19時30分キックオフのナイトゲームは満員御礼。

俺たちはロッカーアウトして光の海を一望する、1年間の戦いを労うように、モナコサポーターは大声援を送る。

おそらく最後のホームでの試合になるシャルドネは感慨深くピッチを見渡すが、ジェルマンに尻を叩かれる。

「感慨にふけるのはこの試合に勝ってからだ。いくぞ!」

「はい!キャピテンヌ!」

今日もツートップを組むケネディとミレウスの凸凹コンビは共に2桁ゴールをあげており、チームの得点源としてここまでチームを引っ張ってきた。

そして、平均年齢の低い俺たちを支えてきたレジェンドのルイスは今日もベンチ待機。頼もしい限りだ。

監督のジャンディはどっしりとベンチに構え、イレブンに親指を立てる。


そしてレフェリーのホイッスルが鳴り、試合は高いテンションで幕を開ける。

スタンドで戦況を見つめる五藤さんは安倍さんに試合の展望を語る。

「この試合、モナコにとってはちっとキツいかもな。」

「どうしてですか?」

「まぁ、心理的なものが大きい。見てればわかるさ。」


苦々しい顔をした五藤さんの語る通り、試合開始からボルドーはフルスロットルでプレーし、俺たちを押し込む。

失う物が何も無い彼らは目前での優勝を阻止すべく、モチベーションに溢れている。

一方、そんな気迫に気押され、俺たちはなかなかボール保持を高める事が出来ない。

若手ディフェンダービエラがビルドアップでミスを犯し、ピンチを招く。

ゴールキーパーと一対一を迎えるに思われたが、ゴンザレスが素早いカバーリングでボールをかき出し事なきを得る。

「ビエラ、問題ないから落ち着けよ。」

「ゴンさん!うっす!!」

俺たちは優勝からくるプレッシャーなのか、いつもより少しだけプレーの精度が下がる。

全体的に身体が重い気がするが、キャプテン、バソングはいつものようにインテリジェンスに秀でたプレーを披露する。


スタンドの五藤さんはコーヒーを口にした後、小さく頷く。

「杞憂だったか。」

「はい?」

「折れない柱がるチームは強いよ。この試合でも例外ではなかった。ゴンザレス、ルイス。そして丈留もだ。」

俺はバソングからボール受けると前線のミレウスへ向けたロングフィードを送る。うまく反応したミレウスはシュート体勢に入る。

「甘いねぇ!」

ミレウスは二度切り返し、ディフェンスをきりきり舞いにした後、マイナス気味ににボールを折り返す。

「ありがとう、ミレウス!タケル!」

空いたスペースに飛び込んできたのは右サイドバックのサイールだった。

両足の正確なボールコントロールが得意のサイールは左足で綺麗なアーチを描いたドライブシュートを叩き込み、ホームスタンドへと走り出す。

今シーズン後にレンタルバックが決まっているサイールの思いの丈を込めたプレー、それぞれの選手の思いを乗せて、試合は加速していく。

私事ですが、先週より上京してまいりました。

首都圏のサッカーをたくさん見に行きたいものです!!

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