特別編「その日」
長らく更新が滞りました。
今回は2人の結婚式、次回から新章です。
すべてのシーズン日程を終えた俺は11月のある教会にて挙式を行う。
ウエディングドレス姿の花嫁が俺の前に立っている、美由だ。
「丈留、どうかな?」
「綺麗だよ。」
「ふふ、おばさんとおじさんも見てくれてるかな?」
「ああ、きっと母さんも親父も喜んでるよ。」
亡くなった俺の両親も生前直木家とは良好な関係にあり、俺達は家族ぐるみの付き合いをしてきた。
「ちょっとー! 二人とも! そろそろ準備して!」
「ああ、すぐ行くよ!」
冠婚葬祭のスーツを持ち合わせていない制服姿の妹、光希がドアの向こうから呼びかける。
「お兄ちゃん、美由ちゃん、ホントにおめでとう! これからも妹として見守ってね!」
「もちろんだ!」
「丈留君、娘を頼んだよ。おめでとう。」
「絶対幸せにします、ありがとうございます。」
バージンロードを歩き美由の父親から俺に家族のバトンが託される。
挙式後、披露宴が行われ、かつての友人やチームメイトなどに結婚の報告と挨拶をして回る。
「おめでとう、丈留、美由! 自分の事のように嬉しいなんて嘘みたいだけどあるんだな。」
「ありがとう裕樹、大学ちゃんと頑張って良い教師になれよ。」
裕樹は大学在学中。夢のサッカー部の顧問に向けて教職課程を学んでいる。
「くっそー、結婚までお前に先越されるのかよ!!代表は絶対俺が先に行くからな!」
「ハハ、負けないぜ!」
天津川だ、現在関東大学リーグで二年にしてアシスト王をひた走る。
「おめでとう丈留! 結婚の先輩として一言アドバイスだ! 嫁さんのいう事はしっかり聞けよ!」
「嫁はんめっちゃ可愛いやんけ!」
「ありがとうございます、みんな! 来シーズンもよろしくお願いします!」
勇士さんや、光宗を初めとするヴィルモッツのチームメイトも祝いに駆けつけてかれた。
こうしてたくさんの人たちに囲まれて俺達2人は結婚した。
すべてのプログラムが終わり帰り道を二人で歩く。
「ねぇ、丈留。」
「ん?」
「私、幸せよ。
看護の道は諦める事になったけど、丈留の傍にいられるのが本当に嬉しい。」
美由は看護大学を中退して俺と暮らすことになった、けれど美由も美由の両親も俺のことを信じて人生を預けてくれた。
「俺もだ。
俺、卒業式の後の美由の言葉は絶対忘れない、怪我をした時も支えてくれた。
これからも俺と一緒に闘ってくれるか?」
「もちろんよ、私は丈留の最初で一番のファンなんだから!」
守るべき者が増えた俺はいよいよ次のステージへ向かう!
前書きにも前述の通り更新が遅れてしまいました、言い訳はしません。
更新頑張ります!




