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世界大会編「精鋭たち」

インターナショナル杯、ラウンド・セミファイナル。

頂点まで残すところ、2つ。

黄金世代(ゴールデンエイジ)の名に恥じない戦いどころか、俺たちがここまで来る事を誰が予想しただろうか。

そしてアジア最高成績のベスト4を打ち破るには高すぎる壁を超えなければならない。


準決勝の地はイタリア、ミラノスタジアム。

ヨーロッパスタジアム名選の一つとされ主要人数は8万人を上回る。

近年はハイブリット芝(人工芝と天然芝を混ぜたもの)を導入し、滑りやすいと言われたピッチにも改善が見られる。

この最高の舞台で俺たちはウォーミングアップを進めた。

国歌斉唱も六回目。

日の丸を背負いこの歌を歌える事が誇らしい。

斉唱が終わると、いよいよピッチに選手が散らばる。


ゴールキーパーは今日も徳重さん。ゴールに鍵をかける。

ディフェンスは右から唐澤さん、竜崎さん、勇士さん、右松さん。

中盤で俺とセンターを組むのは今日も賀茂さん。コンビネーションも熟成されてきた。俺が思い切り良くプレーできるのは彼のおかげだ。

2列目樫原、橋本さん、米田さん。実村さんは切り札としてベンチに。

そしてワントップは帰ってきた舞川さん。スクランブルでの出場ということもあり、光宗も後ろに控える。


対するブラジルのラインナップは豪華絢爛。

名前がアナウンスされる度に大歓声がこだまする。

ゴールキーパーのジュリオは世界最高の足技を持つキーパーでシュートストップも高水準。


右サイドバックのセセニョンは超攻撃的サイドバック、波に乗せると危険だ。

センターバックのキャプテンマーカスとファビアンは老獪かつテクニカルなコンビで今大会も活躍が際立っている。

左サイドバックのリンコンは唐澤さんと同じくサイドバックの司令塔。ゲームを作ることに長ける。


中盤でアンカーを務めるのはアルトゥール。いぶし銀のプレーで中盤を引き締める。

その1歩前のインサイドハーフはロベルトとドュラス。共にスペインリーグベストイレブンという実力の持ち主だ。


そしてスリートップ右に構えるのはアスンソン。強烈な左足の持ち主で、至近距離でシュートを食らったプレイヤーは失神する程だ。

センターフォワードはフェメーノ。名前の通り人智を超えた才能の持ち主。世界最優秀選手の最右翼だ。

左ウイングはブラジルのアイドルクエカ。

スピード豊かなドリブルと急所を狙うコントロールショットは美しいの一言。


コイントスが行われる間、今か今かと選手達は体を動かしている。

「丈留、震えてるぞ、大丈夫か?」

賀茂さんは俺の背中を軽く叩き、様子を案じてくれているようだが、そこにマイナスな思考はひとつも無かった。

「いえ、武者震いですよ! 早くやりたくて!」

夢にまで見たピッチでサッカー王国ブラジルとの対戦。

サッカー選手にとってこれ以上のシチュエーションがあるのだろうか。

父さん、母さん。見ててくれ。俺、やるから。


「私は幸せです。歴史の目撃者になれますから。私たちが成し遂げられなかった事を彼らは成し遂げてきました。代表OBとして、一、サッカーファンとして彼らを誇りに思います!」

実況席の修さんも興奮気味に語っていたらしく、いつも冷静口調

の解説が売りの修さんだけに、この1戦がどれほどエキサイティングなものなのか、お茶の間にも届いたようだ。

それぞれの高まる期待の下、主審のコリーナのホイッスルでついに試合が幕を開けた。



そう言えば通算100話突破していました。笑

ありがとうございます!

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