悲しいこと
泣きたいなと思い、ペンを執る。実際は、椅子に座り、キーボードを触れているだけなのだが。まあ、ペンを執る。
繰り返しになるが、泣きたい。無意味に夜の二時過ぎにカタカタっと、キーボードを打っている状態のことではなく。まあ、泣きたいなと。
涙が出る理由は、玉ねぎを切っているとか、物理的なことではなく。精神的苦痛とかでもなく。悲しいことで考えてみよう。理由、泣きたいからだ。
もう少しウィキを使って考えてみる。僕は博識なのだ。
悲しいことを分類しよう。簡単なのは仏教。四苦八苦だと思う。ちなみに、苦とは、「苦しみ」のことではなく「思うようにならない」ことを意味する。難しく書くと、
「生・老・病・死の四苦。愛別離苦(愛する者と別離すること)、怨憎会苦(怨み憎んでいる者に会うこと)、求不得苦(求める物が得られないこと)、五蘊盛苦( 五蘊、人間の肉体と精神、が思うがままにならないこと)の四つの苦(思うようにならないこと)を合わせて八苦。」
読みづらいけど、まあ分けて見て悲しいこととは違う気がする。でも、まあ、この分類で考える。他に探す気もないからね。
生きることが悲しい。今、みたいにね。
老いることが悲しい。今、みたいだね。
病気で悲しい。どうだろう。そうはみえなかったから。
死の恐怖。遠いとは違うし、近いとはいえない。ただ、知っている。
愛別離苦は、愛とは違ったと思うから。
怨憎会苦は、愛に似すぎていてなんとも言えない。
求不得苦は、求め続けるのは見ていて辛い。
五蘊盛苦は、色・受・想・行・識?に、執着することらしい。まあ、ウィキだね。
悲しみは心の動きで、止められたらどんなに楽で、どんなに苦しいのかと、ふと考える。全ての物には二面性がある。表と裏で、互いに密接している。この今の悲しい気持ちも、きっと、月と太陽みたいに全く違う意味があるのだろう。
目を瞑る。それから思い描かれる風景は、何もなかった部室。それと辛い言葉。
「君は掴めないから諦めるの? 失敗するのが怖いの? 酸っぱいと本当に思うの? 私は好きだよ。君の作品、好きだよ。」
僕はその風景の当事者ではなかったけれど……、だからかな、泣きたくなる。
直接的にこうで、ああで、結果こうで、ではなくて。
どうしてとかも必要なくて、ただ泣きたい。なら、こんな感じ。
読んで貰えて、感謝です。