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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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96/100

第96話「緊急搬送システム」

ゴゴゴゴゴ……。


中継区画の奥で、巨大な搬送設備が動き始める。


床のレールが次々とせり上がり、壁の奥から大型の搬送台が姿を現した。


ミリアが端末を確認する。


「自動搬送システムが起動してる」


ジェイクが周囲を見る。


「何を運ぶんだ?」


「それが分からない」


ルーカスが床を見る。


「レールが……さっきの搬送路と繋がってる」


ミリアが施設図を開く。


「この設備は、通常の搬送路とは別系統みたい」


「どこへ行く?」


ミリアが画面を拡大する。


「……地下深部」


ジェイクが眉をひそめる。


「第2施設じゃないのか?」


「違う。第2施設へ向かうルートより、さらに下」


ルーカスが奥を見る。


「じゃあ、何のためにある?」


ミリアが答えを探している間に、搬送台が動き始めた。


ゴォン……。


そして床に置かれていたデータ装置が、搬送台へ吸い込まれていく。


「待って!」


ミリアが走る。


だが、搬送台の周囲から防護シャッターが降りてきた。


ガシャン!


「閉じ込められた!」


ジェイクが武器を振る。


ガキィン!


シャッターに傷が入る。


「硬い!」


ルーカスも拳を叩き込む。


ドンッ!


しかしシャッターはびくともしない。


搬送台が動き始める。


「このままだとデータ装置を持っていかれる!」


ミリアが周囲を見回す。


「制御装置……」


「どこだ?」


「搬送台の側面!」


ジェイクが走る。


シャッターの隙間から腕を伸ばし、制御装置へ武器を突き刺す。


ガキッ!


「届かない!」


ルーカスがシャッターを掴む。


「離れろ!」


ジェイクが下がる。


ルーカスが両手でシャッターを掴み、力を込める。


「うおおおっ!」


ギギギギ……。


シャッターが少しずつ歪む。


「今!」


ジェイクが隙間へ飛び込む。


制御装置へ武器を叩き込む。


ガンッ!


火花が散る。


「まだ!」


もう一撃。


ガンッ!


制御装置の表示が消える。


搬送台が減速する。


「止まった!」


しかし完全には止まらない。


ゴゴゴ……。


ゆっくりと地下へ進んでいく。


ミリアが叫ぶ。


「制御装置を壊しただけじゃ駄目!」


「じゃあどうする!」


「搬送台の動力を切らないと!」


ルーカスが周囲を見る。


「動力はどこだ?」


「下!」


「下?」


「搬送台の底部に予備動力がある!」


ルーカスが搬送台の側面へ飛び移る。


「ルーカス!」


足場は狭い。


搬送台は地下へ進み続けている。


ゴゴゴゴ……。


ルーカスが身を伏せる。


底部を見る。


そこには小型の動力装置があった。


「見つけた!」


ルーカスが拳を振り上げる。


その瞬間。


カチッ。


動力装置の横から小型アームが飛び出した。


「うわっ!」


ルーカスが避ける。


アームが何度も襲いかかる。


「邪魔だ!」


拳で弾く。


ガンッ!


アームが戻る。


また伸びてくる。


「しつこい!」


ルーカスが拳を叩き込む。


ドンッ!


アームが折れた。


「今度こそ!」


拳を動力装置へ叩き込む。


バキッ!


装置に亀裂が走る。


搬送台が大きく揺れた。


「止まった!」


ジェイクが叫ぶ。


しかしミリアは端末を見ていた。


「……違う」


「何?」


「動力は止まった。でも、搬送台が惰性で進んでる」


「どこまで?」


ミリアが画面を見る。


「この先……」


その表情が変わった。


「終端がない」


ジェイクが固まる。


「は?」


「地下搬送路が、まだ続いてる」


三人の前方。


暗闇の中に、長いレールが伸びている。


そしてその先に、巨大な空間が広がっていた。


ルーカスが周囲を見る。


「ここは……?」


ミリアが端末を確認する。


「施設図に載ってない」


「じゃあ、何なんだ?」


答えは返ってこない。


その時。


搬送台の奥から、金属音が響いた。


カン……。


カン……。


何かがレールの先から近づいてくる。


ジェイクが武器を構える。


「今度は何だ……」


暗闇の奥。


赤い光が一つ点灯した。


そして――


二つ。


三つ。


大量の赤い光が、ゆっくりと浮かび上がった。


第96話 完

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