第62話「通信回線」
ミリアは通信端末の前に座り、接続中の回線を調べていた。
「……この回線、かなり古い」
ジェイクが周囲を見回す。
「古いのに、まだ動いてるのか?」
「非常用電源が残ってるみたい。でも、普通ならとっくに停止してるはず」
ルーカスが画面を見る。
「誰かが動かしてる?」
「それを今から調べる」
ミリアがキーボードを操作する。
画面に通信経路が表示された。
【山間部通信施設】
↓
【中継回線】
↓
【第2施設】
ジェイクが身を乗り出す。
「これで場所が分かるんじゃないか?」
「まだ途中まで」
ミリアが地図を開く。
「第2施設までの通信経路は分かる。でも、最後の区間だけ位置情報が隠されてる」
ルーカスが眉を寄せる。
「わざと隠してるのか?」
「たぶん」
その時、端末が警告音を鳴らした。
ピッ、ピッ。
ミリアが画面を見る。
「通信量が増えてる」
ジェイクが武器を構える。
「またロボットか?」
「違う。これはデータ通信」
画面に大量のデータが流れ始める。
ミリアが急いで確認する。
「第2施設から何か送られてきてる」
ルーカスが近づく。
「何を?」
「分からない。暗号化されてる」
ミリアが解析を始める。
「少し時間がかかる」
ジェイクが周囲を警戒する。
「その間、俺たちが守る」
ルーカスも入口へ向かう。
「何か来たら止める」
数分後。
ミリアの画面に一部のデータが表示された。
【機体情報】
【移動経路】
【目的地】
ミリアの目が大きくなる。
「……これ」
ルーカスが振り返る。
「分かったのか?」
「三体のロボットについての情報」
ジェイクが画面を見る。
「目的地は?」
ミリアが表示を開く。
そこには山間部の地図が表示された。
三体の現在位置。
そして、その先に一つの地点。
「ここを目指してる」
ルーカスが地図を見る。
「第2施設か?」
「まだ施設名までは出てない。でも、座標は取れた」
ミリアが座標を保存する。
その瞬間。
通信回線が突然切断された。
「えっ?」
画面が暗くなる。
ジェイクが振り返る。
「切れたぞ!」
ミリアが再接続を試みる。
「ダメ……向こうから切られた」
ルーカスが立ち上がる。
「俺たちが追ってることに気づいたのか?」
ミリアは少し黙った。
「可能性はある」
ジェイクが武器を肩に担ぐ。
「だったら、向こうが準備する前に行こう」
ミリアが保存した座標を確認する。
「この先をさらに東。山を越えたところ」
ルーカスが出口を見る。
「行こう」
三人は通信施設を後にする。
その頃、遠く離れた場所。
暗い施設の内部で、一つの端末が消灯した。
そして別の画面に、
【外部接続遮断】
と表示された。
第62話 完




