薬師王：禁忌の森を治めし者

ブラック企業で働き過ぎて命を落とした男――風見 隼人（かざみ はやと）は、死後、異世界へと転生する。
新たな名は「ルシエル」。
すべての魔法属性を極めた万能の体を与えられ、「世界を救え」と使命を託される。

だが、彼が選んだ職業は――

「薬剤師です。できれば静かに暮らしたいです。」



呆れた女神は彼を「最も危険な場所」、
伝説の魔物と呪われし大地が眠る禁忌の森へと放り込む。

そこは王国の騎士も、魔王でさえも恐れる魔境だった。
しかし、ルシエルは平然と店を構え、こう書いた。

『ルシエル薬局──どんな病も治ります（たぶん）』



そして、次々と訪れる客たち。
狼の魔獣、喋るスライム、古の竜、かつて世界を滅ぼしかけた魔王……。

治療の見返りに、彼らは言った。

「ルシエル様……我らは貴方のために命を捧げましょう。」



異世界最強の男は、ただの薬屋を望む。
だがその姿は、魔族・精霊・王たちをも跪かせる──
静かなる最恐の薬師伝説、開幕！