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一生職業気い使い

作者: もんじゃ

全て実話の私小説です。


初めて書いたので広い心で読んでください。

親が言った言葉を子供は忘れない。そう思う場面が多すぎると感じる。


私は7人家族だ。

お父さんとお母さん、それからおじいちゃん。

兄弟は10個離れたお姉ちゃん、8個離れたお兄ちゃん、5個離れたお兄ちゃんそして末っ子の私。

家族仲は比較的いい方だと思う

来世があるなら私はもう一度この家族に生まれたいと思う。俗に言う親ガチャ成功ってやつである。


お父さんは単身赴任で生まれた時から家には居なかった。

一年に2、3回会う程度それが当たり前だったからなにも疑問には思わなかった。


私に反抗期はなかったと思う。でもまだ高校2年生のガキンチョであるこれからきてもなにもおかしくはないのだろう。

でもおじいちゃんには絶賛反抗期中な気がしてる。

思春期に来るお父さんへのうざさが私にはなかった分それがおじいちゃんにいったのだろう。


私は人といるのが苦手だ。家族とか関係なく誰でも。気使っちゃうから

だから家にいても食事の時以外はリビングにいない。


そして私は多分俗に言うブラコン、シスコンってやつなんだろう。

歳が離れている分私の兄たちに対する固定概念は尊敬が一番大きかった。

だからベタベタするとかそういう仲の良さはあまりなかった。

ただ会いたいとかそう言うのは思わなかったけどただ好きだった。

出かけたいとかそう言うのも思わないただ友達にお兄ちゃんたちの写真見せて可愛くない?とかかっこいいんだよーっていってるだけ

この前は一日いいことすっごいがあってどうしても誰かに共有したくてお兄ちゃんが起きるのを1時間くらい待ってた。

まあやっと起きたと思ったらどうしたー?って言いながら部屋に戻っちゃったんだけどね。

寂しかったし話聞いてよって思ったけどそんなお兄ちゃんが大好きなんだと思ってしまったからつくづくブラコンである。


お母さんは厳しすぎることもなく子供たちの意見をしっかり尊重してくれたいいあ母さんだと感じる。

でも豆腐っていうとお豆腐でしょ!とか、うどんじゃなくておうどん!とか、嫌いじゃなくて苦手ね!とか、そういうところは厳しかった。

お母さんの料理は美味しい。

たまにこのお味噌汁濃過ぎない?ってこともあったし、多分お米炊くときに水入れ過ぎたんだろうなーとかはあったけど気にはならなかった。

6人分のご飯を作っていた。私とお兄ちゃんたちはソフトボールをずっとしてておねいちゃんはバレーボールを。みんな体を動かすことが好きだった。

だからお母さんは結構な量のご飯を毎日作っていた。

手巻き寿司、鉄板焼き、チーズフォンデュだって夜ご飯に出てきた。

楽しくてしかたなかった。

私が12歳くらいだったと思う上のお兄ちゃんが大学生になって一人暮らしを始めた。現在は愛媛で営業の仕事をしてるらしい。

私が16歳くらいだったと思うおねいちゃんが結婚して実家を出て行った。最近子供が産まれてお母さんしてるらしい。

現在、専門学生の兄はバイトと学校が忙しくて一緒に住んでるのにほとんど会わない。彼女と旅行に行ったりもしてるらしい。

私は、現在通信制高校に通ってバイトとオタ活に明け暮れる毎日。 なんやかんや人生で一番充実してたりする。


6人分作ってたご飯は今、おじいちゃんの一食に。

私とお兄ちゃんはバイトがあるのでお母さんが布団に入った後にラップを外して食べる。

バイトがない日もテレビの音とお母さんのビールを飲む音だけが流れているなかおじいちゃんと2人、椅子に座りただお箸が動く。

きっとお母さんからすると寂しくて寂しくて仕方ないんだろうか。

みんな家を出て行った挙句、寝た後に帰ってくる息子と部屋にこもってる娘。



そんななか、お母さんが言った。


「ご飯作るの楽しくなくなっちゃったな」


そらそうだろう。

6人いた時は、これ苦手だから食べてよーとかこれゆずぽんかけると美味しいよって声が飛び交いテレビの音なんて聞こえなかった。

今は、若くして活躍する天才だと持ち上げられている人たちがただコンプラを気にしながら発言する言葉を右から左に流してゆく。


餃子を一気に100個焼いていた。たこ焼きを6人いても食べられないんじゃないかというくらいみんなで作っていた。

大皿に大量のおかずを乗せて争奪戦になっていた。

余ったおかずは次の日お弁当に詰めていた。


先日、夜ご飯で餃子が出た。

30個くらいだろうかフライパンで焼いていた。

机いっぱいのホットプレートに餃子を並べて水を注ぐとジュワーってなってそれで盛り上がる

そんな日はもう来ないんだと突きつけられた気がした。


ご飯のレパートリーも減った気がする。

たった2人のために鉄板焼きしようとはおもわないし

チーズフォンデュも手巻き寿司も食べきれないだろう。


私が家を出て行くのは何年後だろうか。

おそらく5年後くらいかな。

5年後、おじいちゃんにだけご飯を作るお母さんは楽しいのだろうか?

高校を卒業したらお兄ちゃんみたいになるのだろうか。

だったら5年もないのかもしれない。

あと数年、されど数年。

私よりお母さんの方がこの数年が早く感じるだろう。

だから、だから。


バイトのシフトを調整した。

お母さんが寝る前には帰ってくる。

ご飯を見た瞬間に「やったー!おいしそー!」

椅子に座って「いただきます!」

お箸を置いて「ごちそうさまでした!」

お皿を片付けながら「美味しかった!」

テレビを見ながら「このタレントさん最近よくみるね。すごい人なんだって〜ほら言ってることも頭いいんだなって感じするね」

今年何回目なんだよっていうカレーを見ながら「ほんとなんでも作れるよねー」


お母さんに聞いてみたい。

「ご飯作るの楽しくなくなっちゃったな」

この前こんなこと言ってたよねって

きっと覚えていない。そんな重要なことではないときっと思っているから。


私はこの言葉がこびりついて離れない。


子供という職業は気い使いだ。

親が言う何気ない言葉を忘れることはない。

大丈夫!安心してなにがあってもあなたの子供であることは一生変わらないの


一生職業気い使い。

仕事はしっかり全うする。

読んで頂きありがとうございました。

どこかで共感してくださったりすると大変喜びます笑

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