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第8話『溺れる!? 泳げない薬草少女、強制ダイブ!』

◆◇ 1. 川に投げ込まれましたァァァァ!?!?


(いやいやいや!? ほんとに飛び込んじゃったぁぁぁ!?!?)


ザバァァァァァン!!!!


「ぶぼっ!!? うぶぶぶっ!!!!」


 水の冷たさが一瞬で体に染みる!!

 息を吸う暇もなく、わたしの体は どんどん川の流れに引きずられていく。


(やばいやばいやばいやばい!!!!)


 必死に バシャバシャ!! と手足を動かすけど、全然浮かない!!

 むしろ、さらに グルングルン と流れに巻き込まれて——


(たっ、助けてぇぇぇぇぇ!!!)



---


◆◇ 2. 薬師の青年、普通に泳げてるんですけど!?


「おい、落ち着け。」


(えっ!?)


 視線の先、薬師の青年 はめちゃくちゃ冷静に スイッスイッ と泳いでいる。


(なにこの差ぁぁぁぁ!!!)


 こちらは もはや洗濯機の中の布切れ状態 なのに、薬師の青年は涼しい顔で スッスッ と川を渡っている。


「お前、足を動かせ。」


「むりぃぃぃぃ!!!」


「……はぁ。」


 薬師の青年が ズイッ とこちらに近づいてきた。

 そして——


「しっかりつかまれ。」


(えっ……)


 彼の手が、わたしの腕をグッと引く。



---


◆◇ 3. 対岸にたどり着いた…! でも…


「——ついたぞ。」


「ぶぼっ!! げほっ、うぅぅ……」


 ドサッ!!


 わたしは対岸の地面に倒れ込んだ。


(し、死ぬかと思ったぁぁぁ……!!!)


「……お前、本当に薬草なのか?」


「もうやめてそのツッコミぃぃ!!!」


 全身びしょ濡れ、髪もぐしゃぐしゃ。

 地面にぐったりと横たわるわたしを、薬師の青年は 「仕方ないな」という目 で見ていた。


 でも……


「ねぇ、追跡者は!?!?」


 そう、問題はそこ。


 わたしたちは 川を渡った。

 でも、後ろを振り返ると——


(……えっ、追ってこない!?)


 対岸の向こう側。

 フードの男たちは、こちらを見つめたまま 動こうとしない。


(なにこれ……どういうこと!?)



---


◆◇ 4. ここでついに自己紹介!!


 わたしは びしょ濡れのまま、地面にバタリと倒れる。


「も、もう無理……これ以上走れない……」


「やっと落ち着いたな。」


 薬師の青年が水を払うように軽く衣服を整える。


(この人、なんでこんなに冷静なの!? 私なんてぐっちゃぐちゃなのに!!)


「……で、そろそろ聞いていい?」


「何をだ?」


 わたしは じっとルークを指さす。


「あんたの名前!!!!」


 薬師の青年が「ああ、それか」 って感じで頷く。


「……ルークだ。」


(え、普通に名乗った。)


「最初から名乗ってよ!!!」


「それどころじゃなかっただろ。」


「それはそうだけどぉぉ!!」



---


◆◇ 5. 追跡者たちの「不気味な動き」


「……まぁ、いいや。」


「よくないだろ。」


「それより、追跡者の方が問題!!!」


 そう、フードの男たち。


 さっきまで 「逃がすな!」 って勢いで追ってきたのに、今は じっと立ったまま、こっちを見ている。


「え、えぇぇ!? 追ってこないの!? なんで!?」


「……嫌な予感がするな。」


 ルークが 鋭い目 で向こう側を見つめる。


「まさか……『橋』があるのか?」


「は、橋!?」


「……いや。」


 ルークが、さらに目を細める。


「違うな。……もっと “厄介な方法” で来るつもりだ。」


「えっ、厄介って……」


 その時——


フードの男たちが、同時に「何か」を取り出した。


(えっ……これ、魔道具!?)


 手のひらサイズの 丸い石。

 それを、フードの男たちは 川の水面にスッと投げ込んだ——。


ポチャン……ポチャン……


「ちょっ、なにそれ!!?」


 次の瞬間——


「ゴォォォォォォ!!!」


 水が ぶわっ!! と噴き上がった。

 まるで、大きな生き物が水中から飛び出してくるように……!!!


(えぇぇぇぇ!?!? なにこれぇぇぇ!?!?)



---


◆◇ (次回『水中からの追跡!? 逃げ切ったはずが、まさかの展開!!』)


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