第79話『再会と新たな脅威』
◆◇ 1. 村への帰還
「……あれが村の灯りだ!」
カゼハがピンと耳を立てて指を差した。
「やっと戻れたんだね……」
フィーナがホッと息をつく。
「無事に《風の神珠》を取り戻せたんだ。みんなもきっと安心するさ。」
ルークが力強く頷いた。
「……それにしても、シャドウモアが完全に消えたとは思えん。」
イグニスが険しい表情で言った。
「どういうこと?」
フィーナが心配そうに尋ねる。
「ヤツは確かに消えたが、あの『闇の魔力』……まだ何か残っている気がしてならない。」
「……うん。私もそんな気がする。」
フィーナは、胸の《フローズン・ティア》を握りしめた。
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◆◇ 2. 迎えてくれた人々
「フィーナ! ルーク! カゼハ! イグニス!」
村の人々が駆け寄ってきた。
「無事だったのね……!」
村長が目に涙を浮かべながら彼らの無事を喜んだ。
「……《風の神珠》も、取り戻せました。」
フィーナが《風の神珠》を差し出すと、村の人々は安堵のため息を漏らした。
「これで……村に平和が戻るのですね……」
村長の言葉に、誰もが頷いた。
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◆◇ 3. 迫る“闇の残滓”
「……!」
突然、フィーナの《フローズン・ティア》が淡く輝いた。
「フィーナ、どうした?」
ルークがすぐに駆け寄る。
「わからない……けど、何か不気味な気配が……」
「……やはり、何かが残っていたか。」
イグニスが唸る。
「……こっちだ。」
カゼハが鼻をくんくんさせながら、森の奥を指差した。
闇の瘴気が薄く漂い、地面に黒い痕跡が残っている。
「シャドウモアは消えたんじゃ……?」
フィーナが不安そうに呟いた。
「これは……“闇の残滓”だな。」
イグニスが険しい顔で呟いた。
「つまり、シャドウモアの魔力が完全に消えたわけじゃないってこと?」
ルークが眉をひそめる。
「そうだ。おそらく……」
「……おそらく、奴は“何か”を残していった。」
イグニスの言葉に、全員の表情が引き締まった。
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◆◇ 4. 闇の呪印
「……これ、見て!」
フィーナが指差した先には、黒い紋様が地面に刻まれていた。
「これって……!」
イグニスが目を見開く。
「“呪印”だ……! シャドウモアが遺した、闇の封印だ。」
「まさか……またシャドウモアが復活するの?」
フィーナの声が震えた。
「……いや、そうではない。けど、この“呪印”が広がれば、闇の魔力が再びこの地に満ちてしまう。」
「放っておくわけにはいかねぇな。」
カゼハが拳を握りしめる。
「……その“呪印”、どうすれば消せるの?」
フィーナが真剣な表情で尋ねる。
「それには……“光の精霊王”の力が必要だ。」
「光の精霊王……!」
「確か、光の精霊王は《ルミナス》と呼ばれているはず。」
ルークが思い出したように言う。
「……行こう、ルミナスに会いに!」
フィーナが強く頷いた。
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◆◇ 5. 次なる旅へ
「次の目的地は……光の聖域、《ルクスの森》だな。」
イグニスが地図を広げながら言った。
「ふん、道案内ならオレ様に任せとけ!」
カゼハが胸を張る。
「……うん、みんなで一緒に行こう。」
フィーナの言葉に、仲間たちは力強く頷いた。
「この光が……きっと道を示してくれる。」
フィーナはそっと《フローズン・ティア》を握りしめ、遠くに広がる光の森を見つめた。
希望の光が、フィーナたちの行く先を照らしていた。
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◆◇ 次回『光の精霊王ルミナスの試練! 闇の呪印を消せ!』




