第46話『影の追跡者! 動き出す“影の手”の罠!』
◆◇ 1. 不気味な気配
「……ん?」
カゼハの耳がピクリと動いた。
「どうしたの?」
フィーナがカゼハを覗き込むと、彼は険しい表情で周囲を見回した。
「……誰かが、つけてきてる。」
「えっ!? 本当?」
洞窟を抜け、森の小道を歩き始めたばかりだった。周囲には木々が生い茂り、獣道のように狭い道が続いている。誰かが隠れていてもおかしくない。
「……ルーク、大丈夫?」
「ああ……痛みは少し引いたけど、全力は無理そうだな。」
ルークは右腕を押さえながら、眉をひそめた。
「何が来るかわからない……慎重に行こう。」
ルークが剣の柄に手を添えた瞬間——
「うわっ!」
フィーナの足元から、黒い触手のような影が蠢いた。
「フィーナ、後ろだ!」
「きゃあっ!」
ルークが剣を振るい、影を斬り裂いた。だが、影は形を変えてすぐに再生する。
「こいつ、普通の魔物じゃねぇ……!」
カゼハが鋭く叫ぶ。
「こいつは……“影の手”だ!」
ルークの声に、フィーナの背筋が冷たくなった。
「“影の手”って……あの、王国で噂されてる暗殺者集団?」
「そうだ。奴らは影の魔法を操る……一筋縄じゃいかないぞ。」
「でも、なんで私たちを狙うの?」
「それが問題なんだ……」
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◆◇ 2. “影の手”の追跡 「フフ……随分と弱っているようだな。」
低く冷たい声が響いた。
闇の中から現れたのは、黒いマントに身を包んだ男。長い爪のような指が、空中で影を操っている。
「俺は“影の手”の執行者、ガルヴァ。」
「ガルヴァ……!」
ルークが険しい表情になる。
「その“炎の羽飾り”、貰い受けるぞ。」
ガルヴァの指が弧を描くと、無数の影がフィーナたちを取り囲んだ。
「そんなの、渡さない!」
フィーナが羽飾りを胸に抱きしめる。
「ならば、力ずくでいただくまでだ。」
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◆◇ 3. ルークとカゼハの反撃 「行くぞ、カゼハ!」
「おうっ!」
ルークが剣を振ると、カゼハが風を纏って駆け出した。
「《ウィンド・スラッシュ》!!」
「《フレイム・ブレイド》!!」
風の刃と炎の剣が同時に放たれ、影を切り裂いた。
「ふん、なかなかやるな……」
だが、影はすぐに再生し、再び襲い掛かる。
「こいつら、いくら切ってもきりがない!」
「フィーナ、今のうちに逃げろ!」
「……いや、逃げない!」
フィーナは震える声で叫んだ。
「フィーナ!?」
「わたし……守るって決めたの!」
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◆◇ 4. フィーナの覚醒 「炎の羽飾りよ、力を貸して……!」
フィーナが羽飾りを掲げると、燃え上がるような赤い光が彼女を包み込んだ。
「フィーナ!? おい、その力は……!」
カゼハの声に、ルークが目を見張った。
「《炎の加護》!!」
フィーナの体に赤いオーラが宿る。肩の傷が癒え、疲労が消えていくのを感じた。
「……私、負けない!」
フィーナは影の魔法に立ち向かい、手をかざして叫んだ。
「《フレイム・バースト》!!」
爆発的な炎が広がり、影の触手が一気に焼き尽くされる。
「なに……っ!? この力……!?」
ガルヴァが驚愕の声を上げる。
「今だ、ルーク!」
「おうっ!」
ルークが最後の力を振り絞り、剣を振り下ろした。
「《フレイム・ブレイド》!!」
剣が火炎の刃となって走り、ガルヴァの黒いマントを切り裂いた。
「ぐぅっ……覚えていろ……」
ガルヴァの姿が煙のように消え去った。
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◆◇ 5. 戦いの終わりと次なる試練 「……終わったの?」
フィーナは息を切らしながら、ルークに駆け寄った。
「フィーナ、やったな……」
ルークが微笑み、ポンと彼女の頭を撫でた。
「うぅ……怖かったよぉ……」
フィーナはカゼハに抱きつき、そのまま涙をこぼした。
「フィーナ、よくやったぜ。」
「うん……ありがとう、カゼハ。」
フィーナはカゼハの毛並みに顔をうずめ、静かに目を閉じた。
「……これで終わりじゃない。」
ルークは険しい表情で前を見つめた。
「“影の手”は、これから本格的に俺たちを狙ってくる……」
「でも……わたしたちなら、大丈夫。」
フィーナは力強く頷き、胸の“炎の羽飾り”を握りしめた。
「これからも……みんなで一緒に、頑張ろう!」
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◆◇ 次回『ルークの傷とフィーナの決意』




