表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/92

第34話『遺跡に潜む影! 迫り来る風の守護獣・風狐!』

◆◇ 1. 不気味に揺れる影


「……ルーク、あれって……」


 フィーナが指差した遺跡の入り口には、霧の中でゆらゆらと揺れる巨大な白い影が見えた。


「……“影の手”じゃないな。」


「え? じゃあ、何……?」


「……守護獣だ。」


 霧の中から現れたのは、九本の尾が風に舞う白銀の狐だった。


「……あれが、守護獣か。」


 狐の赤い瞳が2人を鋭く見据え、牙を剥いて低く唸り声を上げる。


ズズズ……


 次の瞬間——風狐の九本の尾が揺らめき、霧の中に無数の幻影の狐が現れた。


「えっ……!? どれが本物……!?」


「……フィーナ、後ろに下がれ。」



---


◆◇ 2. 幻影に翻弄される2人


「こっちに来るよ!?」


「……いや、そっちは幻影だ!」


「えぇぇ!? もう何が本物かわかんないよ!!」


 風狐の幻影が四方八方から襲いかかり、ルークとフィーナは避けるのに精一杯だった。


「くっ……このままじゃ埒が明かない……」


「ルーク、どうするの!? もうどれが本物かわかんないよ!?」



---


◆◇ 3. ルークの策


「フィーナ、俺の薬に火をつけろ。」


「えっ?」


「“幻影崩しの香薬”だ。霧の中に広げれば、本物の狐だけが“影”を落とすはずだ。」


「そ、そんな薬まで用意してたの……!?」


「……まぁ、いつも通りだ。」


 フィーナは懐から火打ち石を取り出し、ルークが投げた薬瓶に火をつけた。


ボンッ!!


 煙が一気に広がり、幻影の狐が次々と薄れていく。


「フィーナ! 右奥……あれが本物だ!!」


「うん!」



---


◆◇ 4. 決着の一撃


「……くらえぇぇぇぇ!!」


 フィーナは腕輪の力で風狐の足元に突風を吹きつけ、動きを止めた。


「……終わりだ!!」


 ルークが剣を振り上げ、風狐の胸元へと突き立てる。


ズバァァァッ!!


「ギャァァァァ……」


 風狐は最後の咆哮を上げ、霧のように消えていった。



---


◆◇ 5. 試練を乗り越えて


「はぁ、はぁ……勝った……?」


「……あぁ、終わった。」


「すごいよ、ルーク! “幻影崩しの香薬”がなかったら絶対勝てなかったよ!」


「……お前の腕輪の力がなかったら、俺の薬も役に立たなかったさ。」


「……ふふっ、そっか。」


 二人はお互いに微笑み合った。


「ねぇ、ルーク……」


「ん?」


「……やっぱり、ルークってすごいね。」


「……別に。」


 ルークは照れ隠しのように顔を背けるが、その耳はほんのり赤くなっていた。


(……なんか、ちょっとカッコいいかも……)


 フィーナは小さく笑いながら、ルークの後を追った。



---



◆◇次回:『風の精霊王の試練! 風の羽衣を手に入れろ!』


「……お前が、どの風に乗るのか——見せてもらおうか。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ