表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/92

第25話『王都に忍び寄る影! 迫る追跡者!』

 ◆◇ 1. 王都の喧騒の中で


 王都の大通りは、相変わらず活気に満ちていた。

 露店の呼び声、商人の取引、観光客の歓声——まるで別世界のような賑わいだ。


「わぁぁぁ! 見て見て、ルーク! こっちのパン、すっごく美味しそう!!」


「……落ち着け。」


「だってぇ! こんなにたくさんお店があるなんて、楽しくない?」


「……お前、少しは警戒心を持て。」


「うぅ……でも、ここはもう危ないところじゃないよね?」


 フィーナはそう言いながら、キラキラした目で屋台のスイーツを眺める。

 ルークはため息をつきつつも、辺りを警戒していた。


(……まだ“影の手”の気配は消えていない。)


 老人の話では、王都に入った時点で彼らに目をつけられていたらしい。

 ならば、気配を消した今も、どこかで見張られている可能性が高い——。


「……フィーナ。」


「ん?」


「もう少し静かな場所へ移動する。」


「えぇぇ……せっかく美味しいもの探してたのに……」


「……命と食べ物、どっちが大事だ?」


「むぅぅぅぅ……」


 フィーナは悩んだ末に、不満そうに頬を膨らませながらルークについていく。



 ---


 ◆◇ 2. ルークの策


 ルークは、大通りを避けるように小さな路地へと足を向けた。

 王都の裏通りは人通りが少なく、物陰に身を隠すには最適な場所だった。


「ルーク、ここって……?」


「少し、様子を見る。」


「様子……って?」


「……本当に監視されているか、試す。」


 そう言うと、ルークは突然方向を変え、意図的に入り組んだ路地へと歩き出した。


「えっ、えっ!? どこ行くの!? ルーク、こっちってさっきの道と違——」


「黙れ。」


「ひゃっ!?」


 フィーナは慌てて口をつぐむが、彼の表情は普段以上に真剣だった。


(ルーク……本気で何かを確かめようとしてる……)


 彼はそのまま、何度も道を曲がりながら、慎重に歩みを進める。


 そして——


「……やはり、ついてきているな。」


「えっ!?」


 ルークが低く呟いた。


 フィーナが恐る恐る後ろを振り返ると——


 遠くの路地の影に、ぼんやりとした“人影”が見えた。


「えっ、えっ!? さっきからずっと誰かに見られてたの!?」


「……少し試したが、俺たちを見失わないあたり、やはり“影の手”の者だろうな。」


「じゃ、じゃあどうするの!? 戦うの!?」


「……いや、まずは撒く。」


「えっ!? ど、どうやって!?」


 ルークは一瞬だけ考え、次の瞬間——


「ついてこい。」


 フィーナの手を掴み、一気に走り出した。


「わぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」



 ---


 ◆◇ 3. 王都の追跡劇! ルークとフィーナ、逃げる!!


「ルーク!? ちょ、待って!? 速い! 速いって!!」


「走れ。」


「む、無理ぃぃぃ!!!」


 フィーナは泣きそうになりながら、必死にルークについていく。


 後ろを振り返ると——


 追ってくる影が増えていた。


「えっ!? さっき一人だったのに、なんで増えてるの!?!?」


「……連携が早い。やはり組織の一員か。」


「そんな冷静に分析してる場合じゃないよぉ!!」


 フィーナは息を切らしながら、何とかルークの後を追う。


(わたし、旅を始めてから何回ダッシュしてるの……!?)


 そんなことを思っている間にも、追手は確実に距離を詰めてきていた。


(やばい……これ、逃げ切れないんじゃ……!?)


「フィーナ。」


「な、なに……!?」


「こっちだ。」


 ルークは、突然 脇道へと飛び込んだ。


 そして——


「ここで待て。」


「えっ!?」


 ルークはフィーナを、建物の陰に隠れさせると、自らは路地の反対側へと向かった。


(待って!? これって、まさか……!?)


 フィーナは、恐る恐る彼を見つめる。


「ルーク……もしかして、わたしを囮にしようとしてない!?」


「……当たり前だろう。」


「やっぱりぃぃぃ!?!?」


 フィーナの叫び声を聞き流し、ルークは冷静に計画を進める。


 (……まずは、俺に注意を向けさせる。)


 影の手の追手たちは、すでにルークの動きを見ていた。


 (そして——今だ。)


  バリンッ!!!


 突然、ルークが持っていた 小さな薬瓶 を地面に叩きつけた。


「なっ——!?」


 白い煙 が一気に辺りを覆う!!


「な、何だこれは!? 視界が……!!」


「消えた!? どこへ行った!?」


 追手たちの声が響く中——


「フィーナ、今のうちに逃げるぞ。」


「えぇぇぇぇぇ!? こんな煙の中で!?」


「……お前、俺がどれだけの薬を作れると思っている?」


「いや、そういう問題じゃなくて!!!」


 半ば強引にルークに手を引かれ、フィーナは 再び逃亡開始 となった——。



 ---


 ◆◇(次回『追跡者との接触!? 王都の陰謀が動き出す!』)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ