第24話『老人の正体!? ついに明かされる陰謀!』
◆◇ 1. 不気味な笑みを浮かべる老人
「少し話を聞かせてもらおうか。」
ルークが低く静かな声で言うと、老人はニヤリと笑った。
「話ねぇ……ふむ、確かに君たちには話しておくべきことがあるかもしれないな。」
(えっ!? いきなりそんなにあっさり話してくれるの!?)
フィーナは驚きながらも、警戒心を解かないルークの姿を見て、自分も慎重に構える。
老人は、周囲にいる黒いフードの男たちに合図を送ると、彼らはゆっくりと距離を取った。
「よし、いいだろう。ここじゃ落ち着かないから、場所を変えようか。」
「……どこへ行くつもりだ?」
「ふふ……私の隠れ家さ。」
(いや、そんなの絶対怪しいじゃん!!!)
フィーナは思わずルークの袖を引っ張る。
「ねぇねぇ、ルーク、本当にこの人について行って大丈夫なの!?」
「……」
ルークは老人を鋭く見つめた後、小さく息を吐いた。
「……案内しろ。」
「ルークぅぅぅぅ!?!?!? そんな簡単に信じていいの!?」
「どうせ放っておいても、またどこかで関わることになる。」
「……うぅ。」
フィーナは納得いかないながらも、仕方なくルークについていくことにした。
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◆◇ 2. 老人の“隠れ家”へ
老人が案内したのは、王都の中でも 普通の人が近づかないような裏通り だった。
ボロボロの建物が立ち並び、空気がどこかどんよりしている。
「わぁ……すっごく……治安悪そうな感じの場所だね……」
「そういう言い方はどうかと思うがねぇ。」
老人はくすくす笑いながら、細い路地へと足を踏み入れた。
しばらく歩くと、彼は とある古びた建物の扉の前で立ち止まる。
「さぁ、ここだよ。」
ギィ……と、扉を押し開けると——
中は意外にも整頓された部屋 だった。
テーブルや椅子、棚には数々の書物と道具が並んでいる。
(思ったよりも普通の部屋……?)
「さぁ、座りなさい。」
ルークとフィーナは、慎重に席についた。
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◆◇ 3. 老人の正体……!?
老人はゆっくりと椅子に腰を下ろし、静かに口を開いた。
「私はな……この王都で長年、情報屋をやっている者さ。」
「情報屋……?」
「そう。表向きにはただの旅人風の老人として振る舞っているが、実は様々な情報を扱う者なのさ。」
フィーナは思わず息を呑む。
「じゃあ、私たちのことも、最初から知ってて……?」
「いやいや、さすがにそこまでは知らなかったよ。ただ、君たちが妙な動きをしていたから、少し気になっただけさ。」
老人は笑いながら、懐から 小さなメモの束 を取り出した。
「さて……君たちが追われている理由、知りたいかい?」
「……!」
ルークの表情がわずかに動いた。
「やはり、俺たちは“何者か”に狙われているのか。」
「……あぁ。君たちは気づいていないかもしれないが、王都に入った瞬間から、君たちの動きを監視している者がいる。」
「……」
(やっぱり!! ルークの勘、すごすぎる!!!)
フィーナは思わずルークを見上げるが、彼は静かに老人を見つめ続けていた。
「それで……俺たちを追っているのは、何者なんだ?」
「それはな——“影の手”だ。」
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◆◇ 4. 影の手の正体とは!?
「影の手……?」
「王都の裏で暗躍する、情報収集と諜報活動を専門とする組織だ。王都の貴族たちも、一部はこの組織と繋がっている。」
老人の言葉に、ルークは静かに目を細める。
「つまり……王都の権力者の一部が、俺たちを監視しているということか。」
「その可能性が高い。」
ルークは静かに考え込む。
(王都に入ったばかりなのに、すでに監視対象……これは思ったよりも厄介な状況かもしれないな。)
「そしてな……君たちを監視していた者の中に、一人、妙な動きをしているやつがいた。」
「妙な動き……?」
「あぁ……そいつは、どうやら君たちのことを王都にいる誰かに報告していたようなんだ。」
その言葉に、フィーナは背筋がゾクッとした。
「え……じゃあ、誰かが私たちを調べようとしてるってこと?」
「その通りさ。君たちが王都に入ったことを、すでに“誰か”が知っている。」
ルークの表情が険しくなる。
「……その“誰か”の正体は?」
「さすがに、そこまではまだ掴めていない。」
「……そうか。」
ルークは冷静に考え込む。
(王都に来たばかりなのに、すでに動きを見られているとはな……。)
「とにかく、王都では慎重に行動したほうがいい。君たちのことを、よく思っていない勢力がいるのは確かだからな。」
「……助言、感謝する。」
ルークは静かに礼を言い、立ち上がる。
「さて……これからどう動くかだな。」
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◆◇ 5. 王都の闇が動き出す……
ルークとフィーナは、情報屋の老人に礼を言い、再び王都の通りへと戻った。
「ねぇ、ルーク……どうするの?」
「まずは、俺たちを監視している“影の手”について、もう少し情報を集める。」
「えぇぇ……でも、そんなのどうやって?」
「情報屋がいるなら、他にも知っている者がいるかもしれない。まずは、それを探る。」
「むぅ……やっぱりのんびり王都観光は無理そうだね……」
「……お前は少し警戒心を持て。」
「うぅ……でも王都には美味しい食べ物もいっぱいあるんだよ!? ちょっとくらい楽しみたいなぁ!!」
「……」
ルークはため息をつきつつも、どこか安心したようにフィーナを見た。
(まぁ、こいつが変わらないのも、ある意味いいのかもしれないな。)
そして——
彼らの知らぬところで、“影の手”は さらなる動きを見せようとしていた。
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◆◇(次回『王都に忍び寄る影! 迫る追跡者!』)




