第13話『ルークの決断!? 変わり始めた感情』
(ルーク視点)
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◆◇ 1. 研究対象だったはずなのに…
(……変だ。)
フィーナの試練が終わり、腕輪が光を放った瞬間、ルークは 自分の中に違和感 を覚えていた。
最初、彼女を見つけたとき—— 「これは奇跡の薬草だ」 と思った。
だから、研究するために連れて行こうとした。
(それが、今はどうだ?)
彼女の試練が成功するかどうかを、まるで自分のことのように見守っていた。
結果を聞いた時、なぜか ほっとした自分がいた。
(俺は……何をしている?)
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◆◇ 2. フィーナを“ひとりの少女”として見るようになった理由
元々、ルークは 研究者として“奇跡の薬草”に強い興味を持っていた。
この世に存在する限り、研究しなければならない対象だと思っていた。
(だから、フィーナも例外ではなかった……はずだった。)
けれど、彼女と過ごしているうちに その考えが揺らぎ始めていた。
彼女は単なる植物ではなく、感情を持ち、笑い、驚き、時には泣く。
まるで、どこにでもいる普通の少女のように。
(俺は、そんな彼女を見ているうちに……)
(……本当に“ただの研究対象”として扱えるのか?)
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◆◇ 3. 彼女が成長していく姿
ルークは、フィーナの横顔を見つめる。
彼女は、嬉しそうに腕輪を撫でながら、小さく笑っていた。
「……ありがとう。」
試練を受けた精霊たちに向けられたその言葉は、心からのものだった。
彼女は、最初はただ逃げるだけの存在だった。
でも、今は 自分の力で成長しようとしている。
(……俺は、そんな彼女の姿を見守っていたいと思っているのか?)
(……まるで、彼女がもっと強くなれることを期待しているみたいに。)
ルークは、そんな自分の考えに戸惑いながら、
それでも 否定しきれない感情があることに気づいていた。
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◆◇ 4. 旅を“共にする”という決断
「……お前も少しは、自分の力で戦えるようになったな。」
ルークは、フィーナにそう声をかけた。
彼女が「うっ……うん」と少し照れたように答える。
その姿を見て、ルークはふと 自分の立場が変わっていることに気づいた。
(俺は、フィーナを“連れて行く”つもりだった。)
(けれど、今は——)
(彼女と“共に旅をする”ことを、当たり前のように考えている。)
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◆◇ 5. 変わり始めた感情
(なぜ俺は、フィーナと共にいることを選んだ?)
(彼女が奇跡の薬草だからか? それとも——)
ルークは、ふと自分の胸に手を当てる。
(……答えは、まだ分からない。)
でも、確かなのは 「彼女と共に旅をすることを、もう躊躇していない」 ということだった。
彼は静かにフィーナを見つめ、そっと手を差し出した。
「……行くぞ。」
「……!」
フィーナは、一瞬驚いた顔をした後——
迷わず、その手を取った。
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◆◇ (次回『旅の始まり!? フィーナとルーク、次なる目的地へ!』)




