第12話『精霊王の試練!? フィーナの秘めた力が目覚める!』
◆◇ 1. 精霊たちが見つめる中…
フィーナは、腕輪にそっと触れながら 精霊たちの小さな光 を見つめていた。
試練とは何か、シルヴィスからは何の説明もない。
(わたし、何をすればいいんだろう……)
不安を感じていると、シルヴィスが静かに口を開いた。
「君に課せられた試練は、単純なものだ。」
「……?」
「精霊たちに、“君を認めさせる”こと。」
「えっ……それって、どうやって?」
フィーナが戸惑うと、シルヴィスは少しだけ笑みを浮かべる。
「それは、君次第だ。」
その言葉とともに、精霊たちがフィーナの周囲をくるりと舞い始めた。
まるで、彼女を試すように——。
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◆◇ 2. “願い”を試される試練
フィーナは精霊たちを見つめながら、胸に手を当てた。
彼らを認めさせる……? どうすれば?
すると、ふわりと ひとつの光の精霊が近づいてきた。
「……君は、何を望むの?」
それは、心の奥に直接語りかけてくるような、不思議な声だった。
「……!」
(わたしの……望み?)
考え込むフィーナの周りで、他の精霊たちがくるくると踊る。
「強さが欲しいの?」「守られたいの?」
「……違う。」
フィーナは、自然と口を開いていた。
「わたし……もう、逃げるだけの存在でいたくない。」
「……?」
「ずっと、誰かに助けてもらってばかりだった。でも……」
ふっと、ルークの顔が思い浮かぶ。
彼が、自分を守ってくれた時のこと。
(ルークがいなかったら、わたしはとっくに……)
その瞬間、フィーナの心に はっきりとした願い が生まれた。
「わたしも、誰かを守れるようになりたい。」
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◆◇ 3. 精霊たちの変化…!
その言葉を口にした瞬間——
✨ 「ピィィィ……!!」 ✨
精霊たちが、一斉にフィーナの周囲を舞い始めた!!
その光が、彼女の身体を包み込み——
「えっ……?」
次の瞬間、フィーナの視界が眩しい光に包まれた。
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◆◇ 4. “心からの願い”が通じた時…
「……なるほどな。」
静かに呟いたのは、シルヴィスだった。
「精霊たちは、“自分のため”に力を求める者には決して応えない。」
「え……?」
「彼らは、“どんな想いで力を求めるのか”を見抜く。君の願いが“誰かを守るため”だったから——彼らは君を受け入れたのだ。」
フィーナは、驚きながら腕を見下ろす。
腕輪のエメラルドグリーンの宝石が、優しく光を放っていた。
(……これが、精霊たちがくれた“力”……?)
心臓がドキドキと高鳴る。
まるで、体の奥から 温かな何か が湧き上がるような感覚だった。
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◆◇ 5. 「試練は合格だ。」
シルヴィスは静かに告げた。
「君は、試練に合格した。」
「……!」
「この腕輪に宿る力は、君が“精霊たちと心を通わせた証”だ。」
フィーナは、そっと腕輪を撫でる。
まだ、何が変わったのかは分からない。
でも、確かに何かが自分の中で変わった ことだけは感じていた。
「……ありがとう。」
フィーナは、そっと精霊たちに微笑んだ。
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◆◇ 6. ルークの言葉
「……フィーナ。」
フィーナが顔を上げると、ルークがじっとこちらを見つめていた。
「え……?」
「……お前、本当にすごいな。」
ストレートな褒め言葉に、フィーナは 一瞬、思考が停止した。
(えっ……!? す、すごい!? 何!? なんかすごくまっすぐ褒められたんだけど!?!?)
「な、なにそれ!? なんか急に恥ずかしい!!」
「事実を言っただけだ。」
「えぇぇぇぇぇ!?!?!?」
ルークはふっと微笑むと、先に歩き出してしまった。
(え、ちょ、待って!? えぇぇぇ!? これってどう反応したらいいの!?!?)
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◆◇ (次回『ルークの決断!? 変わり始めた感情』)




