第10話『魔法の森への招待!?世界樹の眠る場所!』
◆◇ 1. 逃げた先は、普通の人間が入れない森!?
「はぁっ……はぁっ……」
全力で走り続けたせいで、肺が痛い。
足元の土はふかふかしていて、歩くたびに 不思議な温もり を感じる。
(あれ……なんか……さっきまでの森と雰囲気が違う?)
フィーナはふと足を止め、周囲を見渡した。
先ほどまでの 冷たく湿った空気 とは違い、ここは 柔らかい金色の光が満ちている。
「……ルーク、ここって……」
隣を見ると、ルークが じっと森の奥を見つめている。
彼の表情が、珍しく険しい。
「……これは……“魔法の森”か。」
「魔法の……森?」
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◆◇ 2. ルークの違和感、フィーナの戸惑い
「……俺たちは、ここに入るべきではなかったかもしれない。」
「えええ!? ちょ、待って!! 逃げるしかなかったじゃん!!!」
フィーナは慌てて周囲を見渡す。
ここは普通の森じゃない。
木々の葉は 淡い青や紫に輝き、風が吹くたびに光の粒子が舞い散る。
まるで、どこか別の世界に来たような……。
「……この森は、普通の人間には入れない。」
「えっ!? でも、わたし普通に入っちゃったけど!?」
「だから、お前は“普通”じゃないんだろうな。」
「なっ……そんなわけないでしょ!?!? わたし、ただの薬草(元)なんだから!!」
「……“ただの薬草”が、人間になった時点で普通じゃないだろう。」
「うっ……それは……」
(でも、ほんとになんで? どうしてわたし、入れたの……?)
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◆◇ 3. 世界樹の存在に気づく
ふと、森の奥に ひときわ大きな木 が見えた。
それは、他のどの木よりも 神秘的な光を放つ、巨大な大樹。
「……あれって、もしかして……世界樹?」
「……ああ。」
ルークが短く頷く。
世界樹——それは、世界に流れる魔力の根源とも言われる存在。
古くから語り継がれる伝説の木であり、 その力を宿すものは、特別な運命を持つ とされている。
(そんなすごい木が、こんなところに……?)
フィーナは無意識に、世界樹へと歩み寄る。
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◆◇ 4. 森の精霊王との出会い
「おや……珍しい客人だな。」
「ひゃっ!?!?!?」
突然、どこからか 優雅な声 が響いた。
フィーナが驚いて辺りを見回すと、世界樹の根元に、淡く光る人影 が現れた。
「……お前は……!」
ルークが警戒しながら、剣の柄に手をかける。
そこにいたのは——
「ようこそ、我が森へ。」
銀色の髪をなびかせた、美しい青年 だった。
まるで森そのものが具現化したような存在。
彼の周囲には、小さな光の精霊たちが舞い踊っている。
「……あなたは?」
「我は、この森の主。」
銀髪の青年は、静かに名乗った。
「精霊王・シルヴィスと申す。」
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◆◇ 5. フィーナだけが入れた理由
「精霊王……?」
フィーナは、ぽかんと目を丸くする。
「まさか、本当にいたとはな……。」
ルークが低く呟いた。
(えっ……何この流れ!? そんなすごい人(?)なの!?)
シルヴィスは フィーナの方をじっと見つめ、微笑んだ。
「君は……この森に歓迎されたようだな。」
「えっ!? えええ!?!?」
「この森は、選ばれし者以外を拒む。しかし、君は……」
シルヴィスは 静かにフィーナへと手を差し伸べる。
「……君の中には、この森と同じ力が流れている。」
「は、はぁぁぁ!?!?!?!?」
(なんかとんでもないこと言われたーーーー!!!!)
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◆◇ (次回『精霊王の言葉!? フィーナの秘密が明かされる!?』)
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