親公認の家出をするまでの話
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」
「だからその汚い声やめてください。」
「だってムカつくんだもん、なにあれ?ねぇ?」
「そんなことワタシに申されましても」
ロゼリアは私から視線を逸らすをそらすように部屋の雑用をしていたカリンスに向ける。
それにすぐに気づき慌てふためいた彼女は手に持っていたキレイに畳んである白いタオルの束を床に落としてしまう。
「す…すいません!い…今すぐ新しいのを…!」
「こちらこそすいません、私が驚かしてしまって。後で私が持ってきますのでカリンスはそのまま作業を続けてください。」
「はっ…はい!」
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」
タオルを片付けた後私の様子を恐るべきみたカリンスはロゼリアの元に駆け寄り静かに耳打ちをする
「ロゼリア様。」
「なんですか?」
「噂には聞いてましたけど素のアリス様って本日にこんな感じなんですね?」
「普段はもう少し落ち着いてるですが今回は事が事なので…。」
「はぁ…。」
「カリンス!」
私の突然の呼び出しに背ずじがピンとなるカリンス。
「はいっ!」
「このことはナイショだからね?」
「っ、はいっ!」
「ロゼリア!!」
「なんでしょうか?」
「ちょっと出かけてくる。」
「どうぞ、ごゆっくり」
私はベットにゴロゴロしまくりシワになったドレスのままドスドスととても女王の娘に見えない振る舞いをし部屋を出ていく。
慌てふためくカリンスを他所にロゼリアは私が見れなくなるまで深々とお辞儀をしていた。
「誰か護衛の人連れていかなくても大丈夫なんですか?」
「連れていかなくても勝手についていきますよ。」
その瞬間ロゼリアとカリンスの髪がなびくと何かに気づいたようにカリンスは「はぁ…」と口から漏れる。
「まあ普段なら城中が大騒ぎになって女王様が叱るとこなんですが。」
「私覚えてます、あの時は大変でしたよ、私達使用人どころか料理人や庭職人このお城にいる人みんな一緒に3日間ずっと国中探し回りましたからね。」
「でも今回は女王様も許してくれるでしょう。あんなことを言われたら私でも愚痴の1つでも溢しますよ。
国を捨てて俺の妻になれなんて。」