遠足には物足りない最適な広場
そんなわけてどんなわけで私の鶴の一声でカイクウ広場に向かうことになった。
カイクウ広場は城下町からかなりの北にある草むらが広がる持ち通りの広場。
他にはとくに何もなく観光しに行くような建造物やイベントもないから余程の物好きじゃないとまず行く場所じゃない。
「そんな物好きしか行かない場所になんで行こうと?」
「そりゃもう思いつきだよ、見なよ、この壮大な高原を!」
心地よい風が草達をなびかせる、じつに自然豊かな高原の光景だ。
じつは私も初めて来たのだけれど思ったよりも綺麗だ。うん、全てが終わったらもっと周知させるようにライブとかで宣伝しよう。
「でもさ〜、草しかないよね〜。」
「草です、あたり一面草まみれ。笑えるな。」
私に清々しい感情とは裏腹に遊び盛り好奇心旺盛な双子ーずには少し物足りなく不満そうだった。
「それで、これからどうしますか?まあ、聞かなくても答えはわかっていますが。」
「とりあえず進もう!」
その無鉄砲な言葉にロゼリアはやれやれとため息を付きながら私達を草の中の道無き道を進んでいく。
実際私もなんでここに行こうと思いついたのかは分からない、でも誰かにここに行け、ここでこうしろ言われ…、導かれていたような気がした。
それは今回だけではない、誘拐犯を暴いた時も熱中症を見つけた時も多分そのありがたい導きがあったようななかったようなおかげで解決できた…気がする。
気がするだけで確証はない、でも私一人で解決できなかったのを解決したのは事実なんだから。
「ねぇ、いつまで歩くの〜。もう疲れたよ〜。というかほんと広すぎだよここ!!!」
そういうとナースがその場にしゃがみ込んだ。
時間も分からず空もずっと青いまま私達はどのくらい歩いたのだろう。
単調な風景をひたすら見ながらいつ終わるか分からない道を歩くのは思ったよりもずっと体力が削られる。
私達にも疲労がジワジワと蓄積されていった。
「そうですね、少し休みましょう。」
私は足を止めると大きく深呼吸をする。
今になって本当にここに来てよかったのか分からなくなる。
そのおかげで双子ーずに無駄な体力を使わせたのであればなんか申し訳ない。
「しかし、妙ですね。」
「どうしたの、ロゼリア。」
「私、とある事情でここに来たことがあるんです。その時は進んだ先に大きな池がありました。なので今回もそこに向かう道を選んで歩いていたんですが全くつく気配がないんです。まるで…。」





