一瞬だけの朝風呂回
「いやはや風呂はいいねぇ〜、作って正解だったよ。」
「そんな簡単なように言ってくれますね、あの後私達どれだけ苦労したか…。」
「でもその苦労のおかげで今こうやってごゆっくり出来てるじゃん、ねっ、ロゼリア?」
「…。」
私がお風呂に入る時いつもロゼリアが一緒にいる。
そりゃ国の時期当主であり宝でもある私に何かあっちゃいけないから護衛をつけるのは当たり前、というのが彼女の建前。
いくら大浴場といっても流石に沢山いるお城の人達全てに毎日入るのは無理があった。
だから日によってお風呂に入れる人達を決めたのだ。
私達王族は勿論毎日、その中で発案者権限で私が一番風呂に入る権利を手に入れた。その次は王族に使える使用人が2日ごと、その他の人達は3日ごと持ち回りで入ることになった。
つまりは本当なら2日に1回しか入れないはずだが私の護衛をすると名目でならば毎日、しかも一番風呂に入れるといち早く気づいたロゼリアは真っ先に名乗りを上げた。
これが彼女の本音。
「どお?お風呂は?」
「わ…私はアリス様の護衛として入ってるだけで別に楽しみにしてるわけでは…!」
「はいはい。」
私はロゼリアの隣に寄り添いに向かい互いの肩を並べた。
女王と使用人という関係だけと私とロゼリアは同年代、同い年。
もし私の世界で出会ってたらもしかしたらもっと気さくに話したり頻繁に裸の付き合いをしていたかもしれない。
「ねえ、ロゼリア。」
「なんでしょうか?」
「いつもありがとね。」
「…はい…。」
大変です!!!!!
私達2人だけのとってもいいムードをぶち壊すように甲高い声と同時に入浴場の扉がドカンと開く。
そこに立っていた小柄な女の子の使用人、名前はカリンス。ロゼリア直属の部下で私のお世話をする1人。
「なんですか!今ロゼリア様は私と入浴中なんですよ!」
私と?
「知ってます!決してアリス様とロゼリアさんの裸を見たくて急いで来たんじゃありません!! 」
おや?
「そんなことより大変なんですよ!」
「だからなにと言ってるんです!?」
「ブランク様が!ブランク様がお越しになってしまいました!!!」