何でも知ってる人が知らないことを知られたくない人
「それでアリス様、どこでその熱中症とやらをお知りになったんですか?」
みんなが寝静まった中くらい部屋の中で布団に入ってもなかなか寝付けない私に問いかける。
彼女は私が寝たのを確認するまでずっと隣に立っている。
それが気になりすぎてここ最近はなかなかぐっすりと眠れないのである。
いくら防犯対策といっても健康にはよろしくない。
「別にいいでしょ…。」
「いいえ、よくありません。私はその病の事を知りません、なので当然アリス様にそのことを教えていません。
そんなことをアリス様が知ってるなんておかしすぎます。」
「まるでロゼリアは私のことを全部知ってるようなこというね。」
「はい知ってますよ、全て全部まるまると。」
迷う暇もなく即答だった。
「じゃあシャメーラヌにきてから私は何回暑いって言った?」
「57回です。」
「私がここに来る前にお母様に言われたことは?」
「私はそんなこと教えてないのにアリス様が知ってることはす真っ当してきなさい、あとはみんなに迷惑をかけずにいること、です。」
「12日前に私が隠れて食べてたものは?」
「翌日国王様主催の晩餐会で出される予定だったブドウのケーキです。やはり犯人はアリス様だったんですね。
言霊取れました、お妃様にお伝えしときますね。」
「ちょっとまって…!」
「それはやめて。」
「分かりました、それで?まだおやりに?」
「…やるよ、もちろん。」
「分かりました。」
「15日前の私の下着は?」
「両方白です。」
「…、3週間前私は何回お花摘みにいった…?」
「6回です、割合は…」
「わー!!もういい!!もういいからー!!!」
私は羞恥心からの恥ずかしさで大声を出して布団から飛び出した。
同時に暑さとは違う原因で全身から汗が吹き出してくる。
「案外早かったですね。」
ロゼリアは澄ました表情で言った。
「なんで知ってるの…?私も覚えてない知らないことを…。」
「だから言ってるじゃありませんか、私はアリス様のことはなんでも知ってると。」
くそっ…、やっぱりロゼリアにはぐらかすことは無理だ…!
でも正直に私はこことは違う世界からやってきて熱中症はその世界では当たり前なように起こる病気だから対策は知ってたよー!って言っても信じてもらえる訳がない。
仮に信じてもらえてもそれはそれでじゃあ今の私はロゼリアの知ってるアリスちゃんとは違うということ知ることになる。
じゃあロゼリアの知ってるアリスちゃんはどうなってるんだって私にもどうにもならない問題になる。
それはいずれ向き合わなければいけないことで時がきたらちゃんと話すつもりだ、だけどそれは今じゃない。
こんなくだらないことで彼女との関係を終わらせてなくない…!
おやおやおやおやこんな夜中の夜更けに仲良くお喧嘩大喧嘩ですか?
元気りんりんですね?





