荷物の中身は何かな?
お待たせしました。
その言葉と共に現れたのは私達と同じ格好をした中年の男性。
その格好だけにちょび髭を生やしこの中で一番大きいということしか視覚からはなんにも分からない。
「えっと…、貴方は…?」
「申し訳ありません、私はセリハム・ブリッジ、ここの…、正確にはここが隔離施設になる前の施設の責任者です。」
「そうでしたか、私は。」
「お姉ちゃんをありがとうございます、貴方も私あたくし達の恩人大恩人です。」
私の言葉に食い入るようにナースは割って入りそのままセリハムさんの元に歩き出すと手を伸ばし握手を促した。
苦笑いしてる彼にロゼリアは軽く首を縦に振り握手を促すと「ハハハッ」と静かに呟くと応える手を伸ばす。
すると待ってましたかのようにナースは彼の手を掴み硬い握手を交わした。
「改めて今回はよくこんなところに起こししました。
すいませんが感染予防の為にここでは飲食禁止なので何もおもてなしできなくて。」
私達が身を任せてる机にはこれから話し合いが行われるというのに何も載っていない載せることを許されないなんとも異様な光景が広がる。
それほどここの人達は病と呼ばれてるものを恐れている証拠だった。
「そんなこといいんですよ、それに役割はチガエド元々私達はここに来る予定だったんですから。
そうですよね、アリス様。」
そう言うとロゼリアは私をちらりと見た。
「そっ、そうですよ…!全然気にしないでください…!」
「それでさっきから気になっていたのですがあの子は…?」
セリハムは今も窓の外にいるバースを眺めてるの彼女について問い詰めた。
「まあいろいろあるんですけど今は、姉が病になってここにお世話になってる妹ということで…。」
だんだんロゼリアも彼女達のことを説明するのが面倒くさくなってきているのがその言葉からもひしひし伝わってくる。
想定外は面倒くさいという意味が最近よく分かってきた。
「では早速ですが本題に移りましょうか。ダラダラと話してる時間もお互いなさそうですし。」
「はい、確か病になった子供達に渡したいものがあるんですよね?
アリス様の贈り物ならきっとどんなものでも喜んできっと元気になりすよ!」
「そうですね、必ず元気になりますよ。ロゼリア。」
「はい。」
ロゼリアはずっと手に持っていた鞄を机の上に置くと彼に差し出した。
「ありがたく頂戴いたします。」
そういい鞄の中を覗いたセリハムは「なんですかこれは…。」と目が点になる。
それはそうだ、こんな物今更貰っても…、しかも私からね。
「なんでこんな物を…?」
「私もよく分かりませんがアリス様が…。」
そうだよ…、これは病になった子供達が元気になれるもの。
病が治る魔法の食べ物、ずっと貴方達の目の前にあった昔ながらの特産品。





