予想外な第2ラウンド
まだ朝なのにギンギンと全身を刺してくる日差しが凄い痛い…。
せっかく朝風呂したのに意味がないくらいもう汗だくだ。
でも町長さんの奥さん曰くこれでもまだマシなほうでもっと酷い時は外に出るのも躊躇するくらいの暑さらしい。
昨日人の姿がまばらだったのもそれが理由だとか。
「本当に行くんですか?」
「行くの何ももう着いちゃったじゃん。」
目の前には他の建物よりは少し大きいこの街の集会場。普段は町長さんを筆頭にここの偉い方々が生活を良くするために会議をしたり、町民達の親交を深めるために様々な企画やイベントをやる場所…だった。
でも今はそんな賑やかな場所とは程遠く重々しい雰囲気が漂ってる。
だって現在ここは謎の病にかかった子供達を隔離する施設に様変わりしていた。
そこに今私とロゼリア、そしてナースがいる。
「やれやれ、やっとお姉ちゃんと感動の再会ができるというわけでありますね。この幸せを分けてあげたいものです。」
「いや、まだ会ってないし会えるとも決まってないから。」
「やっぱりやめましょうアリス様、危険です。」
ロゼリアはまるで茨の道に進む私を止めるかのように言った。
「大丈夫だよ、私達は絶対に病にはかからない。」
「ですがあんなことだけで病にかからないという保証は必ずしもありません。」
「じゃあなに、ロゼリアは私のことが信用できないの?」
「できません。」
凄い即答だった。
私こんなに信用されてないんだぁ…、一応主人で上司なのに…。
「もし仮に私が病にかかってたら、ここに来た時点、ううん、ここに来る途中にみんなかかってるはずだよ。でも今も全員ピンピンしてる、それが証拠だよ。」
「アリスちゃんアリス様はまるで本当に病の正体を知っているような言い草言い訳ですね。」
「本当なんですか?アリス様。私は医学も少し掻い摘んでいますがこの病は私が知りません。そんな事をアリス様が知っているはずがありません。」
「これには私あたくしも驚きです、お姉ちゃんに聞いた話噂話によればアリス様アリスちゃんは王族のお仕事お勤めをおサボりプーたらしてると伺ってます。」
なんか凄い人格否定されてるように聞こえるんですが…。
「ナースちゃん、それどこで聞いたの…。」
「先程も言った通りお姉ちゃんからの噂話が流れ流れて私の耳の奥底に。」
もし次バースちゃんにあったら絶対その噂話の出どころを問いただそう!
「ナース様もそう言ってますしやはり…。」
「ロゼリア!」
私はそう強く言うとロゼリアの肩をガシッと掴む。
ロゼリアは少し驚いた表情をしたが掴んだその腕を見た後私のジッと見つめた。
「私だって君が知らないことだってあるんだよ。
だがら今回はロゼリアが知らなくて私の知っていることを信じて。」
私はそうロゼリアの目をしっかりと見ながら言った。
いつになく真剣な表情で迫ってくる私を彼女はどう受け取ったのか分からない。
でもロゼリアはしばらく黙り込んだ後ため息を溢し口を開く。
「分かりました、今回は貴方を信じましょう。」
「今回、も、でしょ?」
「さあ、どうでしょう?」





