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この世界で歌えるのは私だけ  作者: 天神
何もしない私が何かをしたこと
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寝る前の訪問者

「はーい!アリスちゃん会いに来たよ!!!」


扉の向こう側にいたのはとても私に危害を加えようとする大柄な男の人なんかじゃなく小さな2人の少女バースとナースだった。

2人の姿を見たロゼリアは手に持っていたナイフをとっさに後ろに隠す。

あと少し気づくのが遅かったらそのナイフを彼女達に振り下ろすとこだったとロゼリアはそっと胸をなでおろした。


「こんな時間になんの御用で…?」


「だから言ったじゃん、アリスちゃんに会いにきたんだよ。あっ、ちゃんとお父さんの許可は取ってあるよ!」


「そんなこんなでやってきました総本山、さあさあ私達立ちっぱなしですよ?お疲れ様です。」


「まあここで話すのもなんですしお部屋に入ってもらいしょうか。いいですよねアリス様?」


ロゼリアは遥か遠くにいる私に向かって大きめな声で言った。


「うん、いいよ。」


私もそれに応えるように大きな声で返す。


「アリス様の許可が出たのでどうぞこちらへ」


ロゼリアはドアの端に立ち彼女達を案内する。


「わーい!」


「お邪魔するぜ。」


双子ーずは中央にある椅子に仲良く隣同士に座った。

私とロゼリアも机を挟み彼女達と向かい合うように座る。


「マリアは寝ていて正解でしたね。」


ロゼリアは双子ーずに聞こえないくらいの小声で言った。


「起きててもすぐに寝たと思うよ。」


「ですね。」


ナースはきっちり座ってるいるのに対してバースはまだ床に届かない足をぶらぶらとさせながら笑顔で私をじっと見ている。

見られることは職業柄慣れてるけどこんなマジマジと見られると流石にちょっと…。


「それでアリス様になんのご用が会ってお会いに?」


「理由?そんなのないよ?ただ会いたかったから会いに来ただけ。」


「愛に理由がないように会いたいに理由は要らないのですよアイドルだけに。」


話を聞くと双子ーずの家はここから遠くの場所にあるからとてもこんな夜遅い時間に帰るのは心身的にも防犯的の危険ってことになり領主様のご行為で私達のようにこのお屋敷に泊めてもらうことになったようだ。

その時私がここにいるとしり居ても立っても居られなくなりこの状況に至る。

勿論領主様も彼女達もこのことも知っているので私達も迂闊に追い返すこともできない。


「初めてライブをあんな間近で見たけどやっぱ凄いねアリスちゃんは〜、私感動しちゃった!」


「本当〜?ありがとう!」


「私わたくしはアイドルとは相容れないと思ってましたが今日で考えが変わりました。会いたくなるほど心打たれたました。相手にしたくなるくらいには。」


「はははっ…、好きになってくれたってことでいいんだよね?」


「ご想像と妄想にお任せします。私わたくしの心はそう簡単には誰にも覗けない、除かれた人だけが私を知ることができるのだから。

そんなことよりお姉ちゃん、忘れる前に僅かなことをしなければ。」


「ああ、そうだった!」


そういうとバースはおもむろにポケットから1枚のしわくちゃに封筒を取りだし机の上に置くと申し訳程度に伸ばすと私達の前に差し出す。

その封筒にはシャメーラヌの紋章が記されておりこの時点で誰からの贈り物が直ぐに察しがついた。


「一応お聞きしますがこれは?」


「ここの領主?様から貰ったの〜!」


まあそうですよねー。


「実を言いますが最初初回は領主様は私達をここに案内するのは否、否定していました。何故ならアリス様は一度誘拐された事によって警備を強化されたこと。ことが事なので領主様は凄い気にしておりました。

ですが流石我がお姉ちゃん、そんな領主様を一瞬でイチコロに撃ち落としました。」


「えっへん。」


バースはドヤ顔でアピールする。


「だがしかし領主様は一筋縄ではいかない、私達をここに行かせるためにある条件を抽出お出ししました。」


「それがこの封筒を私に渡すことってことだね?」


「正解です。これであなたも政界デビューですね。」


「とりあえず理由は分かりました。」


ロゼリアは手袋を専用なものに付け替え封筒を手に取ると不審な点がないか見たり触ったり取りこぼしがないように細かく調べた。


「どこも不審な点がないようなので開封してもよろしいですかアリス様?」


「いいよいいよ、どうせ開けない始まらないんだから。」


私はこの時点で嫌な予感がプンプンとしていた。

だってなんかあるなら明日の朝食の時に顔を合わせた時に言えばいいのに(渡し方はともかく)わざわざこんな専用の封筒にいれた書面で持ってくるなんて絶対にろくなことは書いてない。


「では開封します。」


ロゼリアは慣れた手付きで封筒の先端をナイフで切り1枚の紙を取り出す。


「どうしますか?私がお読みしますか?」


「いいよ頂戴、自分の目が見たほうが頭に入る。」


「分かりました。」


そういいロゼリアは私に書面を手渡す。綺麗に二つ折りしてある書面を開きそこに書いてある内容に一通り目を通した後同じように折り直し机の上に置いた。


「ねえロゼリア。」


「はい。」


「寝具私が使ってもいい?」















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