暑い日は外出をしたくない
あの事件から3ヶ月経ち季節は私が元いた世界でいうとこの夏になった。
では、夏と言ったら一言言わなきゃ言っておきたいことがある。
せーの!
「クソ暑い…。」
「言葉遣いが汚いですよアリス様」
「だって暑い暑いんだもーん!!!」
ベットで私がのたうち回る度滴る汗を真っ白なシーツが吸収していく。
当然この国にはエアコンというハイテ機械なんてないのだから窓を開けて自然な風に当たるくらいしか暑さを凌ぐ対策法なんてないのだ。
「そんな暑い暑い言われるとこちらも暑くなってしまいます。」
「そりゃこんなぴっちり長袖着てるんだから暑くもなるよ。」
「これは私達使用人の正装なのでどんな場合でも脱ぐことは許されせん。」
「じゃあせめて半袖にはできないの?ほらあのシュバルツの使用人のマシュー。半袖を通りこして肩まで出してたよ?
涼しそうだったよ〜?」
そう言われたシュバルツとおもむろに自分の肩を触ると少し擦るとその手をじっと見つめると力尽きたように下におろした。
「遠慮しときます。」
忘れてはいないと思うけどこう見えてロゼリアは女性だ、私と…、アリスちゃんと同年代の女の子だ。
その年代の女の子が自分の身体のことを気にするのは至って普通のことなのだ。
これ以上ツッコむとセクハラ上司と同じになってしまう。
言いたいことを言いたい時に我慢するのが本当のできる人間ってものだようんうん。
「暑いのは分かりましたからダラダラせずに少しは動いたらどうですか?アイドル活動以外はごに入浴とお食事以外はだいだいこの部屋で過ごしてらっしゃるではありませんか。」
「暑いからヤだ。」
「暑くない時もずっとこの調子ですよね?」
「なになに〜?ロゼリアさんはまた私が外出して誘拐されろと言ってるんですか〜?」
「そうされないように外出をなさる時は今までよりも護衛をつけなおかつアリス様も変装を徹底されるようあの後王妃様とお約束されましたよね。」
それが嫌だから外出したくなくなるんだよ。
まあ、一国の王妃の娘が変装と護衛をつければ自由に外出できるってこと自体が甘々の証拠何だけどね。
流石に最初の1ヶ月は城から出られず軟禁状態、会場に行くときも極秘中の極秘でみんなが寝静まった深夜に移動したもんだ。
あの時はとても眠かった…。
「別に外出しろって言われたって特に行きたい場所も行きたい場所もないし。
理由もないのに無駄な体力は使いたくない。」
「実に合理的選択理論ですね。」
「無駄なことをしたくなければ合理的になればいいって長年の経験が言ってましてね。」
「随分適当な経験なんですね。」
「なっ…!」
「まだ17年くらいしか生きてない癖に。」
「くっ…!」
実は実質その倍生きていますよと凄く言いたい…。
でも口が裂けても言えない、そう我慢だ…、我慢だよ私…。
だって私はできる人間なんだから…。
「ならば必要な理由があれば外出してくれるんですね?」
「ま…まあね。」
「では、私の用事に付き合ってください。」





