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この世界で歌えるのは私だけ  作者: 天神
とあるアイドルの災難
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始まったら終わるだけ

アリス様だ!!!

かわいいー!!!

待ってたよ!!!


ついさっきまでの真っ暗で静かな空間が嘘みたいに明るく綺羅びやかな空間に、聞こえる音が全て私を称賛する老若男女の歓声に包みこまれる。


私はそれに応えるかのように大きく右手を上げた。


「みんなー、おまたせー!!!」


歓声はいっそ大きくなりその衝撃でこの空間が地震が起きたのかのように震えてる。


「えっと、今日は私の為に来てくれてありがとね!!!」


当たり前だよー!!!

ずっと楽しみにしてたんだからね!!


私は声が聞こえるほう聞こえるほうに手を振り返す。


中には


アリス様いい匂いしそうー!!

と私の世界だったら100%セクハラで訴えられそうな声も聞こえたけど「今の私は汗だくだよ」と口に出すのをグッと抑えながらそれでも歓声にしばらく答え続けた。


「みんな高いお金を払ってここに来てくれたんだよね?」


そうだよー!!!

頑張って働いたんだから!!!


「だったらその期待に答えなきゃいけないよね?」


拍手とともに歓声がピークを迎えようとする。


「それじゃあ、そろそろ始めようかな。」


私がその言葉を放つとその歓声はピタリとやみ再び静寂と包まれ明かりも私一人だけを照らす。


「じゃあ最初の曲、エンジェルボイス」


そこから先の私は何もしない、後はアリスちゃんの身体が勝手にやってくれる。

彼女の口から放たれる歌声は観客を虜にし、彼女の華麗なダンスは見るものを釘付けする。

そして極めつけは


「それ〜!!!」


私が大きく手を振り回すと空中に沢山の花々が出現するとそれが観客ひとりひとりのもとに落ちていく。


「みんな〜!、私をこっちに越させて!!!」


観客は受け取った花を再び空高く投げるとそれは磁石のようにくっつきやがて巨大な道となる。

私は歌いながらさっきの廊下違い狭い、でもとても賑やかなその道を歩き渡る。

周りには私を見て泣いている女性がいた、だから


「そんな人には〜!!」


指を鳴らすとその女性のもとにハンカチが出現し自ら彼女の涙を拭き取る、そしてハンカチは大きなヒマワリと形を変えた。


「涙は駄目だよ、私の前ではみんな笑顔!!」


「うんっ!!!」


女性は大きくうなずき満面の笑顔を浮かべた。


「さあ、みんなも笑顔笑顔、最後まで元気にいくよ!!!

次の曲は…!!!」


その後約1時間歓声は鳴り止むことはなかった。



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