ちゃんと謝れる人は偉い
シュバルツは服が最初に触れた時には既に分かっていたのでしょう。
そうでもないとあんな反応なんてしないし、でもそれを認めなくないないから最後まで否定しようとしてた。
「す…すまなかった…」
そんな彼が頭を抱え下を向きながら一言彼は静かに言った。
普段どこか目上から見ていて内心本心ムカついてたシュバルツがこんな落ち込んでる姿を見せるなんて正直予想外だったな。
でもさ、私はその反応が見れただけでこんなくだらないことをして良かったと思ってるよ。
だってさ…。
「その反応は知らなかった…ってことでいいんでしょうか?それとも…?」
「なに?、僕が君の誘拐指示したって疑ってたとでもいいたかったのかい?」
「まあー、シュバルツ様がそんなことするはずはないって分かっていましたけどー、なんせ確証がなかったもんでー!」
「その確証を得るためにこんなくだらないことをしたのかい?」
「はい、シュバルツ様がこんな見たことのない苦悶な表情を見て確証しました。
シュバルツ様は無実だって。」
私は清々しい笑顔をしながら言った。
勿論無実だってこともあるけどあのシュバルツに一泡吹かせてあげてスッキリしたのがこの笑顔の一番の理由なんてとてもじゃないけど言えないけど。
「でもシュバルツ様が統治してる土地の出身なのは変わりませんのでこの身ぐるみと一緒に引き取ってもらえません?」
その「なっ」と反応したのはロゼリアだった。
「お嬢様!それはなりません!あの野蛮人共はお嬢様を誘拐したならず者です!我が国で裁判にかけこちらで罪を償うべきです!」
「ロゼリア、シュバルツ様の前だよ。」
珍しく感情的になったロゼリアを私は諭す。感情的になるは凄い分かるけどここまで口がアレになるのは初めて見たな。
「申し訳ありませんお嬢様、シュバルツ様。」
そう彼女は深々と頭を下げる。
「いいよロゼリア、僕達の土地の民がやったことだ。迷惑をかけたのはこっちのほうだよ。」
「はい。」
「でも僕も聞きたい、君達の土地で起きた君に降り掛かったことだ。
ロゼリアの言った通り君達が処罰を決めるのは当たり前だろ?」
「あの人達が言ってました。」
「…何をだい?」
「私を誘拐したのは身代金をたんまり貰うためだって。」
多分そういう言い方だったと思う。
「でもここに散らばってくる服を見るに彼らはそんなお金にも困ってなそうなんですよね。
こんな物をつけてましたし。」
そういうと私はポケットからキラキラの輝く宝石がついている指輪を取り出し机の上に置いた。
「さて、ではなんで私を誘拐したのでしょう?
シュバルツ様がここにいるタイミングでわざわざ?」
いえ、違いますね、シュバルツ様がここにいるこのタイミングだから私を誘拐したんです。





