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この世界で歌えるのは私だけ  作者: 天神
とあるアイドルの災難
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異世界における現実世界要素

びっくりすることにこの世界には銃というものがある、それも私でも知ってるようなごく普通の銃が。

それをリーダー格の男がズボンのポケットから取り出すと迷いもなくロゼリアに向け引き金を引いた。

しかし彼女は目の前に手をかざすと銃弾はポロッとの地面に落ちる。


「くそっ!」


男は何度も引き金を引くが結果は同じ、だんだん近くづいていく彼女を止めることはできない。


「なんで…!、なんでだよ!」


弾がなくなり引き金の乾いた音だけが鳴る頃には銃口を掴み男の前に立つロゼリアがそこにいた。


「結局落ちこぼれの俺達はお前達に勝てないってことかよ…!」


そうどこか悔しそうに滲み出すように男は言った。


「そうですね、あなた達落第者は束になっても、こんな物を使っても私達には勝てません。」


そういうとロゼリアは掴んでいた銃を泥だんごを壊すかのようにいとも簡単に粉砕した。


「失礼、「勝てません」じゃなくて「勝てなかった」でしたよね。大変申し訳ございませんでした。」


バラバラになり床にパラパラと落ちいていく銃とロゼリアの放った言葉に男の心はズタボロに壊れていくのがその表情を見ればよく分かった。

男は膝をつき顔を床に伏せずっと「ちくしょう」と涙を滲ませながらその後くる護衛隊に捕まるまでずっと言っていた。




「もうちょっと手加減しても良かったんじゃない? 」


「何がです?」


晴れて自由の身になり背ずじを伸ばせる有り難みを身に沁みながらラジオ体操をするように至るところを動かしながら部屋の周りを探索する。


「なるほどねぇ」


その最中ある物を見つけた私はロゼリアにバレないようにポケットにしまった。


「アリス様?」


「へっ、何!?」


「なにか様子がおかしいですけどどこかお怪我でも?」


「う…、ううん、なんでもないなんでもない!!それより見てこの惨状、派手にやらないでって言ったよね?なにこの地獄絵図…?」


見渡す限りさっきまで動いていた人達があたり一面転がってる様子はなかなか見れるものじゃないけどできれば見たくなかったなぁ…。


「地獄絵図とはなんのことが知りませんが別にいいじゃありませんか、アリス様を誘拐しようとした不届き者などどうしようと。

命あるだけ温情をかけてあげたんですから逆に感謝してほしいくらいです。」


「でもこれじゃあ護衛の人達大変じゃん?せめて意識残していれば自分達で歩くなりで負担削減になるのに。

あなたは部下に余計な労働を強いるんですか?」


「そもそもアリス様が誘拐、家出などされなければ余計な労働しなくて良かったのでは?」


「はい、ごめんなさい…。」


「それにせっかくお風呂に入られてキレイになさったのにこんなに汚れて…。」


ロゼリアはそう言うと私に近づきドレスについた汚れを手に持っていた布巾で下から丁寧に拭いていく。


「ありがとうね、ロゼリア。」


「臭いですね。」


「へっ?」


「汗臭いですよ、アリス様。まあこんな湿気と男達にまみれた部屋に縛れたのですからしょうがないですね。」


「間違ってないけど変な言い方をするのはやめて。後汗臭いのは私も気になってるから触れないで。」


「それでは帰ったらもう一度入浴しましょう。もう気が済んだでしょ?」



「全然気は済んでないけどお風呂に入れないのは辛いから帰るわよ。それにアイツに会う理由も出来たし。」


「アイツとはシュバルツ様のことですか?」


「ええ、そうよ。汗臭くなった落とし前つけてもらおうじゃないの。」








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