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魔法少女ちさ  作者: 鑑命導灯
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孤独の中でできたもの

……うん、分かってた。


 配信を初めてから一週間。

アプリ側からのサポートもあって、見てくれる人はいるけれど。

配信できる事が何もない、誰もができる事しかできない自分に驚く。

同じアプリの人で、配信を計画的に組む人も、専門的な番組構成の人もいる。


ゲームやアニメ、歌やものまね、スポーツや食事の配信なんて当たり前。


 上から目線の得意気配信や、媚びるだけの忖度配信も見てられない。

個性を出そうとしても『誰でもできる』のなら多過ぎて目に留まらないし。

笑顔でホラーゲーム、元プロ演奏の歌、スポーツの裏話解説も、私には無理。

地味さ盛り合わせの『魔法少女が好きだった中学生』に何ができるっていうのさ。


『コードネーム『さち』起動、サポートします』

 ありがたいよ、ありがたいけど。

サポートするにしても、サポートされる私に中身が無い。

早く人気を出して、有名な配信者になりたいとは思うけれど。

あれだけ頑張ったアバターを活かせる自分が無いのが悔しい。

一人見に来て、消えてを繰り返すのが辛くて泣きそうになる。

とりあえずの配信で流れる時間と無言のコメント欄。

何も届けられない……暫く、無言の時が続いた。


『楽しめていますか?』

 『さち』の優しい声がする。

配信中なのに『さち』に愚痴をぶちまけた。

分かってる……原因が何もできない自分にある事も。


『できる事が無いなら、できるようにするのは如何ですか?』


 ……私では積み上げた時間や経験も足りない。

このまま同じ事をしていても何も変わらないだろう。

顔を両手でピシャリ……『憧れの姿』を思い描く。


「笑顔で諦めないのが魔法少女だもんね!」

『えぇ、私も全力でサポートします』

 笑い合って『さち』と一緒に何をするかを話し合う。

相手はAIだけど『一人じゃない』……そう思うと楽しかった。

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