魔法少女アイドルちさ爆誕
お母さんの反応が結構ショック。
「あら、お母さんにそっくりね」
『さち』の姿が、お母さんに似ているらしい。
『何十年前の話だよ』って言いたいし、その真偽も微妙。
似た者同士ならそうなのだろうけれど、なんだかなぁ。
……まぁ良いよ、サポーターだからどっちでも。
大切なのは、私のアバターだもん。
ストリート系や、お姫様とか、歌舞伎まで。
自分と無縁のアバターを作って違和感てんこ盛りの中。
考えた末に『私が好きなこと』事を第一に再構成。
時間を注ぎ込んだ完成形が……これだ。
「大丈夫なの?これで?」
娘の魂のアバターに対して失礼極まりない母親の一言。
この小柄で元気爆発、可愛さ全開のパッチリの目。
ふわふわのツインテールは感情に合わせて動き回る。
私の憧れたイメージ通りの完全体。
魔法少女アイドル『ちさ』の爆誕だ!!!
「……あんたとは真逆ね」
「真逆だから楽しいんでしょ!」
お母さんには、私のセンスは伝わらないみたい。
見た目も似てないし、名前も上下を変えて『ちさ』にした。
このアバターを見て私と気付く人は絶対いないはず、うん。
……絶対と言えてしまうのが少し寂しいけれど。
憧れの存在になれる。
明日から私とは違う、最高の憧れの私を演じるんだ!