Vサポーター起動
システムアプリがダウンロードされ、ワクワクでアプリを開く。
テスターの期間は半年。
感覚的に短く感じて一分一秒も無駄にしたくない。
アバターの作成画面が出ると、私の興奮も溢れ出す。
デフォルトのアバターを少し大人っぽい感じにしてみた。
何だか良く見ると私に似ていて、微妙……あ。
Vサポーターのアバター作成だった事に気付く。
サポートAIを使用するアプリだもんね……まぁ、このままで。
似た者同士で名前も『さち』にしてみた。
うわ、私が大人になったらこんな感じかも。
ぷはっ、ウケる。
『 コードネーム『さち』起動、サポートします 』
まさに案内役のイメージで派手さの無いアバターの完成。
自分で言うのも何だけど、邪魔にはならない感じなのは良い。
さて、本格的に私のアバター作成に入る。
『さち』の案内や指示を聞いてやってみるだけでも感動。
カメラで表情を認識すると、合わせてアバターも変化する。
更に動きも認識させてアバターへ命を吹き込む。
私ではない私が出来上がっていく。
顔のラインや目の大きさだって何でも変えられる。
髪の毛がアフロにも『つるん』ともできるのは、草。
部分的に色も変えて……とかしていたら、夕ご飯。
「どう?できそうなの?」
「うん、できたらお母さんにも見せるね」
「……徹夜は止めなさいよ」
「う、うん」
流石はお母さん、痛いところを。
私が中二で良かった……中三なら受験で取り上げられそう。
頑張って、頑張って、寝落ちして、朝起きて見ると違和感。
作り直して違和感、調整して違和感、最後と決めて違和感。
結局、妥協をしつつも納得のいくアバターの完成は三日後だった。