9話 お風呂場
冷静に考えてみたら、中身が男の私は男風呂と女風呂どちらへ入るのが正しいのだろうか? 順当に行けば、今の私は女性だから女風呂に入るのが普通だよな。でも、中身は中年のおじさんだから、少し申し訳無いような後ろ髪を引かれる様な気分になってしまう。
「ソフィアお姉ちゃん?」
「あぁ、ニーナちゃんごめんね。中に入ろうか♪」
一応、異世界にも温泉と言う概念はあるみたいだ。しかし、湯を沸かすのに必要な火の魔石が、かなり高価な物らしく一般市民の人達には湯に浸かると言う習慣は無いらしい。お湯に浸かるのは、貴族、王族、豪商と行ったお金持ちやお偉いさんがほとんどだそうだ。
「ソフィア姉! 俺こんな凄い所来るの初めてだよ!」
「ふわぁぁぁ……」
「あらあら、私もここまで凄いとは思って無かったよ〜もう少しこじんまりとした場所だと思ってたから」
2人を連れて来て良かった♪ ルシアちゃんとニーナちゃんが、年相応にはしゃいで興奮している姿を見られてこちらも嬉しいな♪
「ソフィア様、大浴場と個室タイプのお風呂があるそうです。私のオススメは、個室タイプの方ですね。お値段は少しお高めですが、気兼ねなくゆったり出来ますので」
「ほほう……良いねそれ! よし、そっちにしよう!」
温泉に入るのは久しぶりだな〜いつもはシャワーで済ます事が多かったから、湯船に浸かるのは何年ぶりだろうか? しかも、女の子と一緒に入るのは人生初だぞ!
今の私は女だから、合法的に女性の裸を見たり触れたりするのはおかしくないよね? ないよね!? おじさん的には、今のこの身体で自慰行為をしたら、どんな感じになるかめっちゃ気になるぞ。やはり、気持ちも若返ったからなのか性欲の方も若い頃の様にあるのかもしれない。
「ルシアお姉ちゃん早く行こ!」
「あ、ニーナ!? ちょっと待って!」
「あ、こらこら2人とも走ったら危ないよ?」
うふふ……賑やかで楽しいな。誰かと一緒に居ると言うのは、こんなにも素晴らしいものだったのか。
「ソフィア様、私達も一緒に行きましょう♡」
「うん、そうだね……レティ、何か嬉しそうだね」
「気の所為ですよ♪」
怪しいな……もうレティの事を健全なお姉さんとして見れないよ。容姿に関しては青髪に白井メッシュの入った長い髪に、片目が隠れているのが良さみが深くておじさん的には好みではあるけれど……レティの見た目は、清純で美人なお姉さんと言った大人の色香を醸し出しているお姉さんだ。だがしかし、口を開けばR‐18のマシンガントークのオンパレードだ。しかも、Mだとも言うから、変態の中でも特にレベルが高いのかもしれない。
「ソフィア様早く行きますよ!」
「ちょっ……!? 今行くから!」
レティに急かされてソフィアは脱衣場へと向かったのであった。
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「ニーナちゃん。脱いだ服はちゃんと籠に入れないと駄目だよ?」
「は〜い」
「あれ? ルシアちゃんは何でそっちで着替えるの?」
「だ、だって! は、恥ずかしいし……服脱ぐの……」
「ここには女の子しか居ないから大丈夫だよ♪」
まあ、内心はおじさんだけどね。流石に子供の裸を見て発情するような性癖は持っては無い。私の好みは大人の色気漂うお姉さんだ。
「うぅ……」
「おお、ルシアちゃん……年齢の割に大きいね」
「う、うるさい!! ソフィア姉、あっち向いて!」
「はいはい♪」
ルシアちゃんは反抗期の娘と言った感じかな。しかし、ルシアちゃんは年齢の割に胸がデカイ。着痩せするタイプかな。将来はどんな美少女ちゃんへと成長するのだろうか?
「ソフィア様、私の裸をご覧くださいませ!」
「ニーナちゃん、ルシアちゃん。ほら行くよ〜」
「ちょっと!? ソフィア様! 何で私の裸は見てくれないのですか……!? ま、まさか……ソフィア様はロリコン……」
「違うわ! レティの身体はエロいのよ! あっ」
つい思ってた事をポロッと言ってしまった……だって、確かにレティの裸を見たい気持ちはあるけども! レティの身体も中々のものだと思う。服の上からでも、キャロム程では無いけど、立派なボンッキュッボンなあれが分かる程だ。そんなレティの身体を見て勃起してしまったら恥ずかしいではないか……あ、待てよ? そうえば私の股間の息子は消滅したのだったな。今は私も女性だ……ここは冷静になって乗り切れば大丈夫か?
「あらあら♡ 私の身体がエロいなんて……ソフィア様、お風呂場で一緒に子作りをしましょう♡ 私のお〇ん〇んはフル勃起で御座います!」
「え、レティ何処からどう見ても女性だよね?」
「はい、私は確かに女です。ですが、私の心の中では立派なお〇ん〇んが沢山生えています。しかも、常にビンビンなのです!」
「ねえ、レティ……貴方は少し黙ろうか」
あかん。レティが口を開くと99パーセント言葉に不純物が混じっている。しかも、お〇ん〇んという度にレティの頬が赤くなってるし……レティがまともな会話をしてるのをまだ見た事が無いぞ?
「ソフィアお姉ちゃん! 早く早く!」
「今行くからね! ほら、レティ行くよ」
私は強引にレティを引き連れてお風呂場へと向かった。歩きながらレティは、私の腕に自分の腕を絡めて、まるで恋人かのように引っ付いて来た。
「はぅ……♡ ソフィア様しゅき♡」
「え、私は嫌いだよ?」
「え、ななな……何でそんな酷い事を言うのですかっ……!? こう見えても私、真心込めて尽くすタイプ何ですよ!? それにお掃除、洗濯、料理、暗殺、裁縫から全て出来ます!」
「1つ物騒な言葉が混じってるよ!? ごほんっ……嘘だよ、冗談だからね♪ レティ……好きだよ」
何だかレティの扱い方が少し分かって来たぞ。やばい、レティを弄るの面白いぞ。美人なお姉さんが、私の言葉で翻弄されてる姿は何とも言えない快感があるな。
「好き……ソフィア様からの告白……」
「え、えと、あの……そう言う意味では」
「私も愛しています! ソフィア様の事を想うとあそこがうずいて仕方ないのです! 新婚旅行は一緒に魔界へ行きましょう! 大丈夫です。キャロム様もきっと私達の結婚は認めて下さる筈……」
「レティ落ち着いて!」
レティの頭の中は一体どうなってるの!? こうなったら埒が明かない……無理矢理にでもレティをお風呂場に連れて行こう。ルシアちゃんやニーナちゃんを待たせてるからね。
「あぁん……♡ ソフィア様ったら……激しい♡」
「ちょっと! 変な声出さないで! 行くよ!」
「はい♡ 私、イキます♡」
―――お風呂場―――
「凄いのぉ! お湯が沢山あるよ!」
「よっしゃ! 俺が一番の乗りだ!」
「はい、2人とも入るのは身体洗い流してからだからね?」
幼いニーナちゃんは私が洗ってあげるとして、ルシアちゃんの方は大丈夫かな? 何かレティがルシアちゃんを膝の上に乗せて洗おうとしてるけど……
「離せ! 俺は子供じゃない! 1人で身体くらい洗えるっての!」
「ルシアさん、私に全て任せて下さい」
「いやいや!? 何か目が怖いよ!? ソフィア姉、助けてくれ!!」
ルシアちゃん……レティを頼んだ。私もレティの相手をするのはもう疲れた。
「ルシアさん、暴れると危ないですよ? おや? 肩が凝っていますね。お揉み致します」
「ちょっ……!? や、やめ……あっ……♡ 俺の胸を揉むな!」
「ふむふむ、発育が素晴らしいですね」
ルシアちゃんの尊い犠牲……決して無駄にはせぬ。今のうちにニーナちゃんの身体と自分の身体を洗ってしまおう。
「お、この石鹸良い匂いがする。ニーナちゃん、私が洗ってあげるね♪」
「うん!」
ニーナちゃんは純粋で素直で良い子だなぁ。変態なレティとは大違いだよ。
「ソフィアお姉ちゃんのお胸大きいね!」
「うふふ……ニーナちゃんもいつか大きくなるよ♪」
ニーナちゃんの裸を見ても冷静になれてる自分に驚いている。幼女の身体を見て興奮しないか内心少し不安だったのが本音だ。ニーナちゃんとルシアちゃんの髪の色は、私と同じ金髪だから一緒に並んで歩いたら、三姉妹に見えるのではなかろうか? まだニーナちゃん達と出会って間も無いけど、私はニーナちゃんやルシアちゃんを家族に迎え入れたい。ルシアちゃんとニーナちゃんはどう思うかな?
「あはは♪ ソフィアお姉ちゃん、くすぐったいよぉ〜」
「うふふ……♡ こちょこちょ〜」
やはりニーナちゃんの髪の毛は綺麗だ。姉のルシアちゃんは愛らしいボブカットヘアーで、ニーナちゃんの髪は腰まで届きそうなくらいに長い。そして触り心地も最高だ♪
そして、しばらくニーナちゃんと身体を洗いながらお喋りしてイチャイチャしていたら、隣りからルシアちゃんの悲痛な叫び声が聞こえてくる。
「や、そこは……らめぇ……指を挿れないで」
「やはり、ルシアさんは処女でしたか。私には異名が2つあるのです。そのうちの1つは【処女狩りのレティ】、狙った処女は逃さない」
「レティ〜? その辺にしとかないと私怒るよ?」
「はい、すみませんでした」
あぁ……可哀想にルシアちゃんが涙目になってるよ。
「ソフィア姉! うわあああぁぁんんん!!」
「よしよし♪ おいで♪」
まさに両手に花ならぬ、両手に美少女だ。ルシアちゃんを泣かせた罪は重いぞ? レティには後でキツく叱っておくとしよう。