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お師匠様は強くない!  作者: 芝ッフル
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第一話 日常

書きたくなったんです。なので不定期です。

 

 ザクッ、ザクッ、ザクッーーー

 雪を踏みしめ、薪の入った籠を背負って道を進む。もう少しだ。


「よっこいせっと」


 ようやく着いた森の奥の納屋の前で、私は背負っていた籠を下ろした。


「ふー重かったっと」


 背中をぐっと伸ばし、深呼吸をして白い息を吐く。今は11月。季節は冬だ。普通の山村の村人なら、もうとっくに冬ごもりのを終え、家の中で細々と内職でもし始めている時期だろう。

 私は背負って来た薪を納屋に入れながら、内心でやらかしたなぁと後悔している。私としても、本当は他の村人のようにこんな寒いところに出ず、家で過ごしたかった。しかし、面白い小説を見つけ、ついつい読み漁っていたら、いつの間にやら月日がたち、季節が移り変わっていた。


 気が付いたのは雪が降り始めた頃。つまりは10月の終わり頃のことだ。最近やけに寒いなとは思っていたものの、まさかもうすぐ冬だとは思っていなかったのだ。

 流石に私もそろそろ冬ごもりの準備をしなくてはと思い立ち、こうして準備をしている。

 去年も一昨年も似たような感じだった。いつも準備しなくてはとは思うのだが、また後でまた後でと先送りにし、結局こうして危機感を覚えないと行動に移せないのだ。我ながら私は典型的なキリギリスタイプだと思う。アリにはなれそうにもない。


 さて、そんな私リハンは山村の村人でもあるが、実は転生者なのだ。まあ、だからどうということはないのだが。


 使える力としては三つ。


 一つ目はインターネットが繋がること。これのおかげで私がキリギリスになったといっても過言ではない。


 二つ目はお金で物が買えること。また、メル◯リみたくものを送ることもできる。ただし、通貨は円だ。


 三つ目は某動画配信サービスに接続し、視聴者数やスーパーチャットなどによってお金が稼げること。税金は取られるけれども、それでも稼ぐ手段があるのとないのとでは大違いだと思う。


 この三つの力を駆使し、私はこの世界で生きている。

 さて、今の話を聞いて、薪なんて能力で買えば良いじゃんと思った方もいるだろう。もしくはヒーターとか。でも、さっきも言ったように、お金を稼ぐ手段が限られているんだ。そんな中で薪を買う余裕なんてあまりないんだ。いざというときのために取っておきたいしね。

 そして、私が今いる世界には剣も魔法もあるんだけど、石油やらガスやらといった燃料になるものがないんだ。一応石炭はあるんだけど、鉱山は遠いから仕入れにお金がかかる。村人に買い続ける資金はない。一時は荒稼ぎしていたけれど、それで稼いだのは日本円だ。


 とまぁ、いろいろ言ってきたんだけど、実際のところは思い出やら感傷やらに浸りたいというのが本音だね。

 私が今生での両親をなくしたのは10歳。20年前のことだ。前世の記憶があり、たまにおかしな言動をしたこともあった私を、愛を込めて精一杯育ててくれた両親。たった10年だけだけれども、私にとっては本当に楽しい10年だった。

 父も母も若かったから私のことも手探りで育ててくれて、だから私も仕事をしなければいけなくて、そんな私の仕事が薪割りと納屋へしまっておくことだった。最初は慣れなくて、失敗して、それでもうまくいくと父も母も目一杯誉めてくてた。

 私の6個下の弟もあわせて、四人で幸せに暮らして、そんな日々が最高の思い出だった。最後は母は病気で、父は薬のために山を降りようとした時に運悪く崖から落ちて、死んでしまったけれど。それでも、だからこそ私はこの薪の準備は自分でしたかった。大切な思い出だから。

 まあ、私はキリギリスだから、こうしてすっかり忘れていたわけだけれども。


 私は薪をしまい終わり、家へと戻る。今日の仕事はここまでだ。薪も多少たまったし、久々の自分語りもできた。私としてはもう満足だ。

 私は雪をザクザクと踏みしめながら、家へと歩いていった。


 家へと帰ると、煙筒から煙が上がっていた。火を消し忘れたのかと内心心配になりながらも、家に入った。

 すると、17、8歳くらいの少女が、家の囲炉裏で料理をしていた。台所もちゃんとあるのに何故わざわざ囲炉裏なのか。いや、少女の顔を見れば、少女が誰なのかを考えれば、私にはわかることだけれども。


「あっお師匠様っ♪お帰りなさいませ」


 顔を上げた少女、レミーが、私に微笑んだ。

主人公、能力的には凄くチートしてます。でも、本人に動画編集やら配信やらの才能があまりなかったことで、チートしきれませんでした。

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