婚約破棄でも、ぐだぐだな婚約破棄
婚約破棄シーンを書きました。
婚約破棄でも、ぐだぐだな婚約破棄
「今ここで貴様との婚約を」
「まったー!!」
私は、王子の言葉を遮り大きな声で待ったをかける。
すると、王子は予想外なのか
「ほへ?」
となんとも間抜けな声を出して驚いた顔をしていた。
私は、その間抜け顔を見るとすこし笑えた。
おっと、いけないと私はとっさに口を押さえた。仮にも王子だ、ここで笑っていてはせっかく待ったをかけたのにその意味が無くなると思い私は、真剣な顔に戻した。
そして、私は王子に向けて言った。
「婚約破棄する前に私の話を聞いてもらいます!!王子!!」
私が言うと王子は驚いた顔をしていたが、ははんと言わんばかりの顔をしていった。
「はっ。やはり、そうか。貴様は言い逃れをするた」
「はいはい。王子の話はストープ!!では、話しますね。えっと、確かあれは」
私は、王子の話を再び遮り話をしようと進めると、今度は王子が遮る。
「ちょっと待て待て!!私の話を聞いて」
「はいはい。王子の話はまた、あとでね。えーと」
私は、王子の遮りも気にせず話しだす。
「えーと、確か。あれは、えーと」
私は、頑張って言いたいことを思い出そうとした。本当は、事前に練習をしていたのだが、王子が途中で遮ったせいで言いたいことを忘れてしまった。しかし、私は一生懸命思い出そうとしていた。すると、王子が
「・・・・どっ、どうした?何か言いたいことがあるのだろう!!」
と言った。
私は、
「うーん、実は王子が途中で私の話を遮るので、忘れてしまいました。・・・・私、なに言おうとおもったんだっけ?うーん・・・・・・・うーん。」
と悩んでいた。
すると、あっと私はひらめいた!!
「そうだ、王子にお礼を言いたかったのです!!昨日食べたお菓子おいしかっです!!ありがとうございました!!」
私は、笑顔で王子にお礼をのべた。しかし、
「あれ?これ言いたかったんだっけ?待てよ、違う!!私は、こんなことを言いたかったんじゃない!!」
すると、周りの人たちがズコーと滑る。
周りの人たち同様に滑った王子が立ち上がり言う。
「なぜ、今ここでお菓子の礼を言うんだ!!どう考えても違うだろ!!おかしいだろう!!」
「あっ!!言われてみれば!!そうでね!!婚約破棄される時にお礼言ってどうするですかね!!」
私は、気が付いたように納得した。
王子の言うとおりだ!!と。
そして、再び私は考える。
一体、何をいうんだっけと。
すると、王子が。
「・・・・・まだ、考え中か?話す前に前もってメモしとけや!!」
と突っ込む。
すると、脳裏にひらめいた!!
「あっ!!思い出したー!!」
私は、大きな声で言う。
王子は
「本当か!!やっと、思い出したのだな!!」
喜んでいた。
しかし、
「あっ!!でも、違う!!言いたいことじゃない!!」
と言った。
すると、また周りの人たちがズッコケた。
「なんや!!違うんかい!!」
「今までの考えてた時間はなんや!!」
とツッコミが入る。
私は、アハハと笑う。
そして、
「王子!!忘れたので、婚約破棄でいいです!!」
と私は諦めた。
すると、王子は
「・・・・・・・・・・・・・・・いい」
小さな声で何か言った。
私は、その声が聞こえなかったので聞き返した。
「はい?なんて、言いました?小さくて良く聞こえなかったです」
すると、王子はまた小さな声で
「・・・・・・・・・・いい」
言う。
それでも、分からなかったのでまた聞く。
「はい?何て?何て言ったんですか?」
すると、王子はしびれをきらしたのか、いきなり大きな声で
「いい!!婚約破棄は、いいと言ったんだ!!」といった。
そして、
「お前が思え出すまで、婚約破棄は待つ!!それでいいな!!」
王子は赤くなりながら言った後、さっさと出ていった。
「うふふふ、全く王子ったら照れ屋さんなんだから」
私は、そう思いながら王子の背中をみた。
ありがとうございました!!