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捏造の王国

捏造の王国 その48 ジコウ党だけズルいです!国民の税金で自分らだけ検査、ワクチンうけんじゃねよ!

作者: 天城冴

新型肺炎ウイルスの猛威が収まらないニホン国。鉄面皮ジコウ党幹部もさすがに恐怖を覚えたのか、サンカイ幹事長がジコウ党幹部や本部関係者のみ先にワクチン接種をしたいという自分勝手すぎる提案をしてきたのだが…

新暦2月にはいり、旧暦の新年も間近。少しずつ春の予感がしてきたニホン国ではあるが、まだまだ新型肺炎ウイルスに頭が痛いどころか、ニホン国民の少なからぬ人数がぶっ倒れる寸前。しかし、そんな市民の苦しみを知ってか知らずか、ここ官邸では庶民だけでなく政権べったりのネトキョクウですら、目をむくような決定がされようとしていた。

「ほ、本当にサンカイさんあれをやるつもりなのか!」

と、内線電話で叫ぶガース総理に電話の向こうのシモシモダ総理補佐官は悲痛な声で

『はい、サンカイ幹事長は、“検査だけでは安心できん、ここはやはりワクチンを全員に打たせるべき”と』

「な、なにを考えているんだ!新型肺炎ウイルスのPCR検査をジコウ党の本部職員だけやらせるのだって非難ごうごうなんだ。第一政府は検査をなるべく少なく、必要なだけという方針で、太鼓持ちの芸人だの、御用学者だのにさんざテレビやSNSで配信させていたというのに真逆なことを!ど、どう言いつくろうかもう、私の胃も頭も限界だというのに!そ、そのうえワクチン」

『はあ、正式にはニホンではまだ接種できないわけですから、その、あの国からの未承認のアレを職員に打たせることになるか。それとも…』

「ま、まさか、医療従事者用に先に用意したものを使えとかいうんじゃないだろうな!そ、そんなことをしたら暴動が」

『その、サンカイ幹事長は“我々ジコウ党がかかりそうな病院の奴等だけは先にうけさせればいいだろう”と。具体的には例のイシバラ・ノビテル議員の入院先とか』

「ああ、くそ!あの会食したうえ、無症状のくせに入院したバカか!親もどうしようもないがほんと選民意識というか」

自らも選民意識まるだしのことは棚にあげ、感染したイシバラ議員を罵倒するガース総理。

「ああ、まったく、宣言で国民に自粛をよびかけようと、肝心の与党議員が夜の街に繰り出すわ、会食するわ、おまけに感染するわ、ではどうしようもないではないか」

“そうですよねえ、ホント、与党ジコウ党はどうしようもないですよねえ。野党の議員さんは入院できずにお亡くなりになったり、やむにやまれず店を開けてる飲食店に罰則を科す法律をきめたりしてるのに、自分たちだけ会食してもおとがめなしで入院ですかあ。酷いですねえ、卑怯ですねえ、ズルいですねえ、ジコウ党の方々は”

と、またも聞こえてきたガース総理の新たな天敵のお声。

(ぎゃー、地獄の書記官、ど、どこだ!今日は節分だぞ!鬼なんぞ祓ってやる!)

と声に出さないガース総理の叫びを聞き取る超自然的存在地獄の書記官、本日は机に置かれたスマートフォンの画面からの御登場のようである。

“いやだ、節分は昨日ですよお。二十四節気の関係でえ、今年だけ2月2日。もう、ガースさんたら、そんなことも知らなかったんですかあ、会議ニホンだかの人々はニホンの伝統とかのたまってる割に無知ですねえ”

(そ、そんなことぐらい。だいたい今は新型肺炎ウイルス対策でいそがしい…)

“無理やり国際大運動会開くために忙しい、の間違いじゃあないですかあ。オトモダチの広告会社の便通がつぶれるんですってねえ、あの大会が中止だと。そうするとマスコミとかのお、印象操作とかあ、できないししい、だいたいつぶれた会社から情報がもれて、今までのやった恥ずかしい、情けない工作の数々がバレちゃうかもしれませんしねえ”

(う、うるさい!とにかく私は電話中…)

“だからあ、その電話の内容のことでえ、出てきたんですよお、ワクチン打ったらぶっちゃけジコウ党での感染者増えて、地獄がたいへんですからあ”

(は、ど、どういう?)

“つまりい、ワクチン打ったからって、絶対安全じゃないわけですよお。マスクとか手洗いとかやんなきゃいけないしい、会食とかも避けるべきなんですけどお。どうせえ、ジコウ党の人たちはおバカというかあ、衛生観念がおかしいというかあ、奥さんやらお母さんから注意されたことを俺は大丈夫とわけわかんない言い訳でやっちゃう人ばっかりだからあ、そういう基本的対策が疎かになるだろうってえ、地獄でも話題になってるんですよお”

(そ、それは、罹った奴とかワクチン打った奴等でもマスクとかしないと駄目なのか!)

“それは当たり前でしょう。そもそもインフルエンザとかあ、他のウイルスだってそうなんですよおお、絶対罹らないわけじゃあなくてえ、重症化を防ぐ目的もあるからあ、ワクチン打っても気をつけるんですよお。それにい、新型肺炎ウイルスは再感染しやすいしい、抗体が長持ちしない恐れもあるしい、オマケに変異種があ、たくさんあるからワクチンが効かないのもあるらしいですよお”

科学的知見があるどころか、今までの政府の対策会議での学者たちの発言の意味も実はよくわかってなかったガース総理。相当簡単な地獄の書記官の言葉もよく呑み込めていなかったものの、恐ろしいことになるということだけは理解できたらしく

(つまり、ワクチン打っても、新型肺炎ウイルス対策は続けろ、ということなのか)

“まー、そうですよお。宣言してえ、飲食店時短とかはあ、しなくてもいいですけどお。手洗いとかマスクとかはあ、少なくともお、屋内とかではしないと不味いですよねえ。だいたいワクチン打ってえ、自分は重症化しなくてもお、他の人にうつす可能性もあるしい。ホント他の人はどうでもいいんですねえ。自宅療養とか称して見殺しにされた人たちの恨みつらみ聞かせてあげたいですねえ。地獄の獄卒ですら、こんな酷い恨みは久々、先の大戦で餓死させられた兵士とかあ、被爆者の方以来だなあ、って妙に感心してましたわ、貴方方の非道さを”

鬼に非道と言われるという、非常に不名誉なことを言われたガース総理、思わず反論した。

(だ、だが、感染とか発症は抑えられるんだろう、そ、それなら別に)

“あー、もうホントにわかんないんですかあ。ぶっちゃけ、いろんな変異種に感染しちゃってどうしようもなくなる恐れもあるんですよお。特に、脳に入り込んで後遺症がのこるってのもあるしい”

(の、脳に後遺症?)

“やだあ、ホントに報告聞いてないんですかあ、理解できないんならはっきりいってくださいよお。学者にバカにされたくないからって知ったかぶりすると皆迷惑ですよお。それ言われるから学者を支配しようとしたんですかあ。ホントに恥の上塗りですねえ”

(能書きはいいから!脳の影響は!)

“だからあ、このウイルスはあ、脳に入り込んでえ、炎症とか起こしてえ、後遺症がのこるんですよお、舌とかあ、手足とかあ、重度の倦怠感とかあ。まあ、いっそお、それを利用しようかとお、八百万の神さんからも提案がありましてえ”

(か、神様?)

先日は西洋の唯一神から会食依存症などという精神病患者扱いされたうえ、今度は本家本物のニホンの神々からのご提案、ガース総理はゴクリと唾を飲み込む。

“だからあ、自分らの悪事の言い訳に散々、神様を引き合いにだしてるでしょお、貴方方。会議ナンチャラもそうだしい、国際大運動会のお偉いさんのモンリ元総理もそうだしい。庶民や国土を傷つけ、疲弊させる口実に使われ続けてえ、流石に、なあなあの緩い八百万の神さん方もブチ切れ寸前でえ、いっそあいつらに超メガトン級天罰をって、去年の神様会議で決まったらしいですよお。まあ、お賽銭だけではあ、ついになだめられなくなっちゃうほど度が過ぎるアホ政策連発しましたからねえ、ジコウ党政府”

真榊だのなんだのの奉納ごときでは鎮められない神の怒り、そして天罰とは、なんなのか思わず聞いてしまうガース総理。

(て、天罰って、まさか雷にあたる、とか)

“そんなもんですむわけないでしょー、ここまでやっといてえ。だからあ、ウイルスで脳がやられたって形にしてえ、自我というか意思を奪うつうかあ。つまりい、貴方方をおかしくさせて一族郎党、支援者もひっくるめてえ、今までの悪事をテレビ中継で洗いざらい暴露して、国民に土下座して謝ったうえで総辞職、被選挙権も選挙権も市民の権利は放棄、全財産も困窮者支援団体とかに寄付してえ、残りの人生はあ、例の壊れた原発の処理にささげてもらうかって”

(ぎょえええええー)

“あ、もちろん病気になっても医者にかかれませんしい、衣食住は自給自足でえ、15歳以下のお子さんは児童福祉施設にでも、という構想でしてえ。まあ20歳以下にするかが焦点なんですけどね、本来ニホン国では15歳はもう大人なんでえ”

(そ、そんなヒドイではないか、私たちがなにをー)

“酷いこと?今までアベノ総理からさんざんやったじゃないですか。だいたい総理になってからも酷すぎる。国際大運動大会とその利権に固執して真面目に感染対策しなかったじゃないですか。そのおかげでニホン国の直接、間接の死者はどれぐらいになったと思います?しかもまだまだ増えるんですよ、今すぐに対策とったとしても間に合わない人が大勢いますから。ホント我々の仕事増やさないでくださいよ、さすがの私も激怒ですよ、規則破って今から貴方たちジコウ党幹部もろもろの関係者全員を地獄に連れていきたいぐらいです”

地獄の書記官のセリフに震え上がるガース総理。珍しくマトモな口調だが冷酷さと強い怒りがにじみ出ている。地獄の書記官は本当は相当恐ろしい存在だったのかと改めて気が付かされるガース総理。

(そ、それで、ど、どうしたらいいんでしょう)

“やだあ、もうかしこまっちゃってえ。すみませんねえ、私もつい本気だしちゃったからかなあ。要はあ、国民全員にい、PCR検査うけさせてえ、ジコウ党本部職員だけ依怙贔屓はやめます、会食議員は議員辞職、再度立候補しても党公認は15年はしないって発表すればあ、いいんですよお。あ、あのガワイ夫妻はあ、奥さんは辞職したけどもそれじゃまだまだ足りないんでえ。二人とも辞職でえ、大人しく刑に服してもらってえ。あ、ガースさんが、金返すのは違反になるからあ、地元の子供食堂とかあ、ホームレス支援団体にい、全財産寄付しなさいっていえばあ、さらにポイント高くなりますよお”

と、おちゃらけ口調に戻りつつも、厳しい内容の地獄の書記官の言葉。

(そ、それは、その。せめて会食自粛)

“できるわけないでしょお、ほら”

と、地獄の書記官が言葉を切るといきなりスマートフォンの着信音。

『そ、総理大変です!自宅療養中だったはずのイシバラ・ノビテル議員が銀座で会食してました!治療はもう済んだし、一度罹ったから平気とか、マスクなしで!』

と、ニシニシムラ総理補佐官からの連絡。一方、内線電話からは

『そ、総理、サンカイ幹事長をどうやって止めます?今にもワクチンの保管庫に押しかけそうな勢いでして』

と、シモシモダ総理補佐官の声。

「あー、どうしてこう皆しょうもないんだ!」

自分のことは棚にあげ、同党の議員の阿保さ加減をなげきまくるガース総理であった


どこぞの国では議会制民主主義をとりながら、国民より与党議員が大事という腐敗しきった態度をとっているようですねえ。見掛け倒しのウイルス対策はやっているようですが、いかんせん中身が薄すぎますからどこまで効果あることやら。これだとまさに自衛しかないですが、それで政府、与党の存在意義ってあるんですかねえ。税金で養ってもらってる自覚ゼロどころか王様気分の彼らをどこまで皆さん支持するんでしょうか。

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