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俺、吸血鬼になったってマジ?  作者: 紅茄子
水上の楽園編
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第3話 新居探し



「さて、検査は一通り終わりだ。あと必要なのは家と職ということかな?」


「はい、取り敢えずは自分で探してみますが、ダメそうだったらお願いしようと思います」


「分かった。ただ、今現在異常が無いというだけでたまに検査に来て欲しい。連絡はするからお願いできるかい?」


もちろんです、と頷いて病院を出た。

西日が眩しい。

一週間経つ間に随分慣れたようで、確かに少し怠いが最初の頃のように目が焼けることは無い。



「退院おめでとう、遥斗」



外で待ってくれていた沖田さんーー玲奈と合流した。

少し話をするうちに同い年だという事が判明し、互いに砕けて話そうという事になったのだ。

…正直、そうでも言わないと彼女の声色から罪悪感が消える事は無かったから。



「ありがとう。島の案内と家探しまでお願いしちゃったけど良かったのか?」


「寧ろ私以外に頼る人いるの?まあ、柏原先生がいるだろうけどあの人はあの人で忙しいんだから」


「本当に最初会った時のお淑やかな感じはどこに行ったんだよ」


「またその話?初対面で観光客になら丁寧に接するでしょ、普通。それともああいう方が好みだった?」



自分で家を探す、と言ったのは玲奈に既に案内を頼んでいたからだ。

どうせ島内の把握はしたかったし、正直柏原さんに任せるよりも綺麗な女の子である玲奈と連れだって出かけられる方が魅力的だった。



「最初に注意しておくんだけど、吸血鬼の存在は基本的に口外しないように。それと、逆に吸血鬼用のお店にはマークが貼ってあるからそこなら専用の物とかも売ってるはず」


「分かった。てことは不動産屋さんもマークが無いとダメなのか?」


「もちろん。大家さんが吸血鬼の存在を知っている家を紹介してくれる。けど、受け入れてくれるかは分からないかな」



そりゃあ吸血鬼同士のゴタゴタじゃ喧嘩で済まない可能性まであるんだ。

俺が大家さんでも心配の種は取り除きたいと思うだろう。


……そして案の定、三軒の不動産屋をハシゴしても俺を受け入れてくれる家は見つからなかった。



「うーん、こんなに見つからないなんて…。ちょっと待っててもらっていい?」


「それはいいけど…。このまま柏原さんの厄介になるのはかっこ悪いなあ」



玲奈がどこかに電話をかけている間、俺は密かに黄昏ていた。

逆にここの吸血鬼の人達はどうやって住んでいるのだろう?

最近大きな事件でもあったのだろうか。



「お待たせ!ちょっとアテがあるから来てもらってもいい?」


「アテ?不動産を通さないで家なんて借りれるのか?」


「いや、この際私と一緒に住むのはどうかなって」


「え?玲奈と、一緒に?」


「そ。フォローするにもすぐ連絡できた方がいいでしょ?遥斗ならいいかなって」



少し顔が火照るのが分かる。

え、住むって本当にいいのか?

起きるであろう期待…一緒に食卓を囲むとかテレビを見ながら談笑するとか、というのと起きないであろうけどしてしまう期待…つまりはラッキースケベ的なものを想像して固まってしまった。



「さすがに会って一月も経ってない人と住むのは気は進まない?」


「い、いや、厚意には甘えたいんだけど取り敢えず案内してもらえるか?」



俺はクスクスと笑う玲奈のあとをロボットのような足取りでついていくのだった。


基本的には19時には更新できているようにしたいと思っています。

逆に19時まで更新が無かったら多分その日は疲れて死んでいます。

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