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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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96-魔海島上陸

 大陸から約五キロ程離れた場所にこの島は存在する。元々は大陸の一部であったが、守星大戦時に眷属神たちによって島となった。現在、この島の食物連鎖がどうなっているかは不明だが、モンスターはほぼ絶滅していると思われる。この島を今支配しているのは魔族である。魔族のヒエラルキーによって、魔族の増減も決まってくるであろう、中位までの魔族しかいなければ、モンスター同様に弱肉強食の世界でその数を極限にまで、減らしている可能性はある。もし、上位もしくは中位の一部魔族がいた場合は別である。下位魔族の生産が可能で餌を得てる可能性がある。また、高い統率力を持って島を統治している可能性があるのだ。その場合は、一定数に数を増やし管理されている可能性がある。それだけの能力がある魔族ですら、破れない結界を張り巡らせていたのだが、人の欲が原因で結界が破れる寸前で、修復したにもかかわらず、またもや、一部の者の身勝手な行動によって、予定が狂わされることとなった。


「葵、石で桟橋作れるか?足元を安定させたい」

「やれると思います。ついでに防壁もいくつか作りますね」


 白檀から尋ねられ葵は返答する。葵は島の岸から50メートルくらいまでの距離に桟橋を岩で作成する。さらに身を隠せる防壁も立てる。


「よし行くぞ!」

「了解!」


 葵は白檀、マノーリア更に冒険者パーティ ウィングスの5人と共に魔海島へ上陸した。


「葵、更にここにも防壁を作れ、最悪ここまで下がれるようにする。あそこの上に行ったらあそこにもだ」

「了解」


 白檀は葵に砂浜に少し大きめの防壁を作り、その先の砂浜がおわるあたりにも作る指示をする。葵は砂浜に防壁を作りそのまま駆け上がり、そこにも防壁を作る。その防壁へ皆が駆け寄り身を隠す。


「葵、マニー、支獣を偵察に出せ!」


 葵とマノーリアは支獣のエールとアリスを飛ばす。


「あまり、遠くに行ってなきゃいいけど…」

「すまないな!同じ冒険者として謝罪しておくよ」


 葵がぼやくと隣にいたアインがそう答える。葵はお気になさらずにと答えて話題を変える。


「団長とはどちらでお知り合いになったんですか?」

「3年前の防衛戦の時にな…生意気だった俺達は陽動部隊にいて、逆に魔族の挟撃にあって、死ぬ寸前だった時にアイツに助けられた。俺はそれから騎士を辞めて冒険者になった」

「元々、騎士団に?」

「ああ、けど、安易に考えてた俺達は、基本的な事を無視して突っ込んだ。気づいた時には周りを囲まれて、挙げ句に、バカデカイ魔族が現れてな、逃げるしかできなかった…逃げた先にアイツと皇女様がいて助かったってわけだ」

「それは、災難でしたね」

「ところで、昨日作戦の時のバカデカイ魔族みたいのが嵐に体当たりしていたけど…」

「ああ、あれはうちの騎士団の姉妹の大技なんですよ、お父さんの元々の能力らしいですよ、それをダガーに封印してあるみたいで」

「父親の…」


 マノーリアが葵に声をかける。


「葵くんこれ以上は…」

「あんまり人の大技の話とかまずいよね。ごめん」

「そうじゃなくて、アインさん達は事実を知らないから…」

「え?」


 葵も3年前の事は知らないが当事者のアインが知らない事実とは何なんだろうと葵は思う。


「騎士長、教えてくれ!確かにあの時、白檀と皇女に『ユーオズ隊長は?』と聞かれて、このふたりは何を言っているんだと…… 俺達は鳳凰の試練で犠牲になったんだろと言うと、ふたりとも苦い顔をしてたんだ…」

「わたしも、その場にはいませんでしたので、状況までは…わたしが同席して聞いたのは、アインさんの想像の通りかと…団長が話すかはわかりませんが、事実は団長か皇女しか知りません」


 白檀がこっちを振り返り、軽く動揺しているアインに声をかける。


「昔話をしている暇はなさそうだぞ!ウイングスのリーダーさんよ!3年前の真実にたどり着いたなら、この仕事終わったら、ユーオズのおやっさんの墓参りでも生きて帰ってするんだな」


 白檀の言葉でアインも確証した。自分達を逃がす為に、咲と花の父親は術を使い、巨大な魔族となって標的となった。さらに自分達の記憶も暗示をかけていたことに気がつく。


「わかった!」


 アインは強く頷き白檀に返す。葵が白檀に声をかける。


「何か見つかりました?」

「冒険者達がいた。何かと戦っている」


 白檀の指差す方を見ると相手はゴブリンの群れだった。


「なんだ、ゴブリンかよ~」


 冒険者のひとりがホッとして口にするが、葵、白檀、マノーリアの顔が険しくなる。アインが気づき尋ねる。


「ゴブリンがいるとまずいのか?」


 マノーリアが答える。


「ゴブリンは下位の代表的な魔族です。ゴブリンは繁殖はしません。悪魔によって生み出されます。下位の魔族を作れる、上位魔族がいることが想定されます」

「なるほど…… 加護持ちくらいしか相手にできない相手がいるって事か…」


 アインがそう漏らすと白檀が口を開く。


「想定の範囲だ。さっさとアイツら連れ戻して戻るぞ」

「了解」


 ゴブリンを仕留めるのを待ち、葵がグラビティコントロールで冒険者の動きを止め拘束して帰る予定だったが、その時、ゴブリンが後2匹のところで地面がモコモコとうごき、ゴブリンと冒険者の地面のしたから何かが顔を出した。そしてゴブリンと冒険者2名が土ごと喰われたのだった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続き次話をお読みいただければ幸いです。

よろしければ、評価とご感想をちょうだいいただければ励みとなりますので、よろしくお願いいたします。

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