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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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87-連合軍開戦前会議

 本陣の一番大きな仮設テントに、各国の幹部や武官らが一同に集まり、開戦前の会議となった。その会議の席には、霊峰神殿神殿長のあざみやビナスゲート共和国騎士団新団長のアイズと魔導師として派兵したクローバー・ロゼッタの姿もあった。守星調査隊はこの連合軍の中心的隊であり、最前線で先陣として戦う為、全員参加している。環が壇上に立ち各国の幹部へ挨拶する。


「各国のみなさん、迅速に集結していたいだいてありがとうございます。今回は、魔族に対して我々から先手を打つ今までの戦いと大きくことなります。魔海島奪還作戦を提案しておいて、矛盾を承知の上でお話しさせていただきます。守星の為とは言え可能な限り、犠牲を出したくありません。ですので、短い期間ですが、できるだけの準備と叡知を結集させて、作戦を成功させましょう」


 会場から拍手が起こる。次に守星連盟の文官が壇上に上がり、西側各国の資金援助により連盟からの支給品があるとのことで報告され、その支給品の説明にひとりの男が壇上に上がる。


「直哉さん!」


 葵は思わずビックリする。戦場にもっとも似合わない男柴崎が壇上に上がった。柴崎が葵達に気がつき手を振る。


「バルーンフルーツ社の柴崎です。ウチからマジックブレスレットとモノクルスコープを提供します。既に皇国、王国、帝国それに守星連盟の一部で試験運用して実績も出ています。ねぇ葵くん! 」

「えっ? 」

「みなさんも知ってますよね! 俺と同じ日本から転移して、眷属神の加護もらって皇国騎士団入った彼です。彼が加護を得た時に使用していたのが、これなんです! これがあったから、加護をもらえたと言っても過言ではありません! 」


 柴崎は葵に壇上に上がるようにジェスチャーで葵を呼ぶ。葵は深くため息つき声が漏れる。


「このタイミングでふる? ブレスレットとモノクルスコープには助けられてるけど…… 」


 葵はやめてよと思いながら壇上に上がる。別に緊張するわけではないが、前に出るメリットがない。柴崎が葵の身につけているブレスレットとモノクルスコープを指し示し説明する。全騎士、兵士には支給されないが、最前線の部隊と指揮官に優先的に支給される。騎士と指揮官は、葵達と同じ体内の魔力を充填できるタイプのブレスレットが支給される。冒険者には支給がない分、柴崎は外でポーション回復タイプの廉価版ブレスレットを販売している。モノクルスコープは、急所技を持つ者や弓兵に優先的に支給することとなった。ちなみに守星調査隊は既にブレスレットは装備しているが、モノクルスコープは、葵だけだったので、咲、花、信治が装備することとなった。柴崎はロスビナス皇国に支社を設立して、早々に大量のオーダーが入ってホクホク顔である。葵はその顔を見て守銭奴だなと思いつつ、機会があればおごってもらおうと心のメモに書き留める。会議はその後も作戦進行の手順をひとつひとつ決めていく、最終的に結界を解除する前に白檀、梔子、柊の鳥形支獣を使い偵察し作戦決行時間を決めることとなった。会議が終わり、ロゼッタがマノーリアに抱きついた後に、鋭い眼光で睨みつけてきたが、葵は気がつかないふりをした。この世界で知り合って間もないが、ロスビナスに来るまでの道中で知り合った人たちとの談笑する束の間のひととき、そんな時に信治の発作が始まったようで、柊と花が絡まれている。


「柊さん! 柊さん! オーガって鬼ですよね! 」

「そうですね。オーガは別名は人食い鬼ですからね」


 信治の声のトーンが少し上がる。


「やっぱそうか! 鬼退治だ! 鬼退治! 鬼は強いんですよね? 」

「そうですね。葵さん達は既に経験されたようですが、決して気を抜ける相手ではありません」

「なるほど! じゃあ、やっぱり修行して呼吸法とか剣の型を教わった方が良いですよね! 」

「修行? 呼吸法? 」


 花が耳をピンとさせているが、目は上の方を見て信治の発言の意味を考えている。葵は信治の暴走を止めようと信治に声をかける。


「信治! お前は少年誌の主人公になりたいのか? 」

「葵くんだってオーガだよ! 鬼だよ! 」

「安心しろ! お前は少年誌の主人公にはなれない! 」

「葵くん僕のことバカにしてるよね? 」

「いや、ちなみに俺もなれない! 」

「なんで! 」

「良く考えろ信治、例えば、信治お前は剣士だ」

「うん」

「お前の目の前に、自分では考えを選択できない美少女剣士がいたとしよう」

「なんか、知ってるその展開」

「知ってるなら良い、コイントスして思い通りに出たらお前ならどうする? 」

「どうする? って…… 」

「今、絶対エロいこと考えたよな! 」

「か、考えてないよ! 」

「安心しろ! 柊さんは、そこでエロい事を考えても大丈夫だ」

「ちなみに、俺はそこでエロい事を絶対に考える。だから、少年誌の主人公になれない! 信治はエロなしで良いのか? 」


 少年誌の主人公は清く正しくなければならない。葵が信治にエロ無しだぞ~っと詰め寄っていると、葵の後ろから梔子にひっぱたかれる。


「こらっ! バカ2人! いつまで、バカなこと言ってんのよ! さっさと自分のテントいって寝なさいよ! 」


 葵すいませんっと反省してない感じにペコリとしてテントを出た。葵が自分のテントに入ってすぐに声がかかる。マノーリアだった。


「マニーどうしたの? 」

「葵くんがさっきに行っちゃうから! 」

「ロゼッタがベッタリだったし…… 」

「でも、おやすみくらい言いたいし…… 」

「それだけ? 」

「えっ? 」

「おやすみのキスは? 」

「へっ? 」


 マノーリアはそこまでは考えていなかったようだが葵はキスをした。


「じゃあ、おやすみ! 」


 マノーリアをテントまで送り届け、なんとなくどこかの3倍早い大佐殿に「戦場でラブロマンスか、葵らしい」と言われた気がした。


お読みいただきありがとうございます。

引き続き次話をお読みいただければ幸いです。

よろしければ、評価とご感想をちょうだいいただければ励みとなりますので、よろしくお願いいたします。

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