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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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84-守星の為の攻めの一手

 元々は大陸の一部だったその島は、今では人は近づく事の許されない島で厳重に結界をはり、管理されている。守星大戦時に多くの魔族の軍勢を間引く為に、眷属神のサヨリとデイト・ア・ボットによって、大陸から引き離し海流結界をはり、魔族を島ごと隔離に成功した。しかし、この時に眷属神サヨリは海中の深海神殿に取り残され、そのまま眠りにつくのであった。その後、代行者により、ポルトベッロシティに新たに神殿が作られて、今に至るのである。守星調査隊の全員が新政府の会議の席に同席することとなった。環が代表して現状を尋ねる。


「結界完全に無効化までの有余は?」

「後、2日維持できるか…」

「既に大型の魔族が海に入り渡ろうとして溺れているのも確認されています」

「魔海島との距離は?」

「約5キロ程になります。体力のある魔族であれば、うまく海中結界を潜り抜けて、こちらに泳ぎきるやもしれません」


 結界をはっているとはいえ、完全結界ではない為、稀に魔族が泳ぎきる場合や、溺死した魔族が流れ着くことはある。デイトが口を開く。


「アネモネ姫が亡くなって、結界が力を失ったのでしょう」


 マノーリアが尋ねる。


「デイト様魔族の数はどのくらいいると考えられますか?」

「大陸から切り離した時に、隔離した魔族の数は約3万です。オーガや獣人がいますので、その辺の魔族は繁殖が可能です。オーガの場合は、人間の女性を襲い子を産ませる事も可能でしょう。過去に冒険者などが近寄ってなければ良いですが… その場合女性は、腹の子に中から喰い殺されます。他に上位魔族で魔族作成が出きるものがいれば、低位の魔族は簡単に増えます。エサにもなりますので、何の根拠もありませんが、上手く共食いをしていれば1万に減っていたら良いでしょう。上位魔族が存在し、統制を行っていたら倍になっていてもおかしくありません」


 デイトは抑揚なく淡々と話す。部屋にいた全員が息を飲む。オーシャンガーディアンの武官が、早急な結界を提案するが、デイトがそれを否定するように、更に話を続ける。


「確かに結界を再度行うのは否定しません。しかし、それは、いつまでででしょうか?高位結界を継続的に行うならば可能でしょうが、代行者ひとりの結界では、限界がきます。もし、上位魔族がいれば力を蓄え自身で結界を破壊できる力を得たら?こちらが防衛準備ができないまま、この国魔族が押し寄せてきます。わたしは1度結界を再構築したのちに、あの島を奪還することを推奨致します。何故ならば深海神殿へとつながる門があるからです。眷属神サヨリを目覚めさせる為に必要です。邪神が目覚める前に、魔族を減らすのも必要だと思います。」


 デイトが話し終わると部屋に沈黙する。安易に勢いだけでやれる話ではない。白檀がその沈黙を断ち切る様に口を開く。


「デイト様の意見に俺は賛成する。少なくともここに加護持ちふたりと眷属神の助力得たひとりがいる。今までにない戦力だ。ましてやデイト様もいるからな!無論、兵の数が足りないから、最低でも東側の国の軍隊と守星連盟そして冒険者から人を集めて、10万~15万規模の軍は必要だろう」


 中位魔族以上を、ひとりで相手にできる強者など、ここにいる者以外にいない、一般の兵が10人で挑んでも全滅してもおかしくない、となると、10万の軍を作っても最前線で戦える強者は、2万もいないのだ。下手に一般兵を送り込んでも、死体の山を積み上げるだけになる。白檀の言う数のほとんどの兵士は、強者達が犠牲にならないように、後方支援をするもの達の数だ。白檀がハリーを見て発言を促す。


「守星連盟も協力する。連盟で各国に出兵協力要請を出そう。環は皇女としてどうするんだ?」


 ハリーがそう言うと環が軽く目を瞑り、一度息を吸ってから口を開く。


「犠牲も多く出ると思いますが、わたしもデイト様の意見に賛成です。どちらにしても、全眷属神にお会いするのが目的でしたから、深海神殿に行く必要があります。いつかは、やらなければならないなら、決行いたしましょう。オーシャンガーディアンのみなさんとマーレ姫よろしいですか?」


 マーレがビクッとするがここでノーを言えるだけの根拠もない。


「わたしには、正直わかりませんが、自分ができるだけの事をします。」


 白檀が話を纏める。


「じゃあ、決まりだな!東側の国だけでも協力してもらうとして、作戦は一週間後で、それまでの結界再構築でいいのか?」


 マノーリアが少し焦る様に尋ねる。


「結界が後2日持たないならすぐに向かった方が良いのでは?」


 デイトが口を開く。


「マノーリアさん、あそこなら大丈夫です。わたしは、あの地には訪れていますので、ここからなら2歩でつきます。この大陸から切り離したのは、わたしですから…」


 守星調査隊とハリーとマーレが、魔海島のもっとも近い岸へと向かう。見張り台の兵士達がざわめているが気にせず、結界の再構築にはいる。マーレが海流結界をはり、環とデイトが島全体と空中にもはり今までよりも強固な結界を作る。


「結界は無事再構築できました。速やかに準備を致しましょう」


 魔海島奪還作戦の準備がはじまるのだった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続き次話をお読みいただければ幸いです。

よろしければ、評価とご感想をちょうだいいただければ励みとなりますので、よろしくお願いいたします。

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