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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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73-ウィッチイーター討伐

想定外の状況により陣形を崩される。1度散開し陣形を整える。白檀の指示が飛ぶ。


「相手の力を見極める!クー、咲、葵、マノーリア、柊!一斉に攻撃を仕掛けろ!信治と花援護頼むぞ!」

「了解!」


前衛と中衛が前に出て馬車から離れるように攻撃を仕掛ける。信治が蔦が現れた正面と左へ土魔法で塹壕を作成する。


「ファーストトレンチ!セカンドトレンチ!花ちゃん!入って!」

「はい!」

花は弓からロンクレンジライフルに、装備を変更し塹壕へ入る。声と蔦の主の姿が現れる。黄色い花がいくつか咲いており、オレンジ色の実をつけた20メートルほどの植物が歩いてくる。その姿を確認して、梔子が正体を判断する。


「ウィッチイーターだ!言語をしゃべってるから、人に寄生していると思う!花のつけね辺りを確認して!」

「魔女喰い?」


この植物は、人やモンスターに寄生して、その特性を得る事で狂暴化するのだが、特に魔導師の女性に寄生した時が狂暴という事で名がつけられた。ちなみに、この世界の魔術師は顕現させられる魔法の数で呼び名が変わる。最高位が魔導師、次に魔法師で下位が魔術師である。複数の技能を得るために兼業で魔術師として、登録している者も多く、専業としてやっているのは魔法師以上が多い。魔導師の女性のみ魔女と呼ぶこともある。余談だが、クローバー治療院のロゼッタは魔導師の職能を得た上で、治療師としての道を選んだ、魔導師としても優秀な人材と言える。


「一番大きな花のした!」


咲が中央の大きな花の下を指差す。茎が少し膨らみがあり、うっすらと人影が見える。寄生した後に包み込んでいる。


「生きているか?」

「死んでいたら、養分にしていると思う。言語や魔法を使っているから、生きていると思う」


デイトが御者台から手をかざして何か確認をする。


「みなさん、彼女の生存を確認しました。衰弱がみられるのと昏睡状態ですが大丈夫です。」


白檀が皆に指示を出す。


「人命救助を優先とする!」

「了解!」


梔子と咲が先陣をきって走り出す。ふたりの支獣も追随して、蔦の攻撃を交わし懐に入ろうとする。葵とマノーリアが支獣に乗り、陽動をかける。蔦の攻撃を葵とマノーリアは剣技で切り刻むが、すぐに再生する。


「再生が早くないか?」

「おそらくヒールと再生能力を向上させる魔法を顕現させているわ!」


ウィッチイーターは、オレンジ色の実を投げつけて来る。1つの実が2メートル程のサイズでカボチャのようだ。割れると種が散弾する上に、果汁は酸が強く地面から泡と湯気が揺らぐ。葵とマノーリアは散開し実の攻撃を回避した。


「魔女にカボチャってハロウィンかよ!今は5月だぞ!」


葵の声が後方にも聞こえたようで花が疑問を信治に漏らす。


「葵さん何に怒っているのかな?」

「たぶん、10月に出て来いよって事かな?」

「10月?」

「季節外れ!って言いたいんじゃないの?」

「よくわからない」

「わからなくて良いと思う」


ふたりはどうでも良い疑問をやめて、援護に集中する。

白檀が炎を纏った大太刀で蔦を切り刻むがウィッチイーターの再生能力が上回る。


「キリがねぇ!」


デイトが環に告げて加勢に加わるが、攻撃を加減しているようだ。寄生されている魔導師をデイトの力では、巻き添えにしかねないからだ。デイトが皆に告げる。


「このモンスターの急所は彼女のところにあるので、彼女の救助を諦めるか、先に救助しなければ倒せません。」


葵はデイトに言われて、モノクルスコープを左目に装着すると、確かに大きな花の下の膨らみに赤くターゲットポイントがロックする。デイトが更に告げる。


「わたしの結界で一度抑え込みますので落ち着いて作戦を検討いたしましょう。15分は時間が作れると思います」


デイトはふわりと宙に浮いて、ウィッチイーターに手をかざす。すると地面から岩の檻が出現して、ウィッチイーターを取り囲む。


「これで、時間は稼げますが、厄介な相手なので、15分と思っていてください」

「了解!」

「あの蔦や実の攻撃は魔導師は関係ないんだよね?」

「元々の特性だけど、攻撃力向上の魔法を使っているでしょうね」

「魔力を使いきらせるのは?」

「魔導師の魔力を増幅させているモンスターだから、俺達の体力が尽きるのとどっちが早いかってとこだな…」

「魔力が尽きる…」


葵がニヤリと笑う


「こういう時に取って置きの武器を信治が作ったじゃあないですか」

「マジックバキューマー使うの?」

「魔力なら問題ないだろ?」

「たぶんね」

「更にそれで、グレネード作れば良いんだろ?」

「あいつに効くかは…わからないけどね」

「なんで、いきなり弱気なんだよ」

「失敗したら嫌だから」


白檀が皆に指示を出す


「信治!そん時はそん時だ!みんな信治の攻撃の間、援護して、信治を守れ!」

「了解!」


信治が言いずらそうに手を上げながら口を開く


「あの……」

「どうした信治!」

「僕の前には立たないで欲しい…」

「前にでないと守れないだろ?」

「前にいる人の魔力も吸うから…」

「それを先に言え!」


信治の作った。吸引力の落ちない魔力吸引器は目の前の者を見境なく魔力を吸引してしまう仕様だった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続き次話をお読みいただければ幸いです。

よろしければ、評価とご感想をちょうだいいただければ励みとなりますので、よろしくお願いいたします。


冬童話2021投稿用に、連載中のSTRAIN HOLEの世界とキャラクターを使用して短編を書いてみました。

本編を読まなくても、完結するように書いておりますが、時期的なものや状況は本編とリンクさせておりますので、合わせてお読みいただければ、より楽しんでいただけるかもしれません。


【短編】姉妹のさがしもの

https://ncode.syosetu.com/n0703gs/

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