69-主武装武器確定
守星調査隊出発を明日に迎えて、最終的な調整のみとなった。調整終わりしだい、皆帰宅して各々都で最後の休息となる。順調に任務を完了させても今回は1ヶ月は帰って来ないこととなる。環が信治に尋ねる。
「信治さん、武器は納得行く物ができましたか?出発は明日なので、納得行かなくても、あなたの武器を確定させたいのですが」
「お待たせしました。これからも武器開発は旅の途中もしていきますが、これにします。」
信治はテーブルに試作品の時よりも小ぶりのグレネードランチャーを2丁だす。葵がそれを見て感想を漏らす。
「だいぶ、小さくしたな?2丁って事は片手で撃てるのか?」
「そう、反動を抑えたからね。でも威力は試作品と変わらないし、弾の装填も2ついける。クールタイムも短めにしたから、後方援護ならこれでも戦えると思います。マジックグレネードランチャーです。後はこれはみなさんに相談になるんですが…」
信治はもうひとつ、テーブルに武器をだす。葵が見て感想を再び漏らす。
「ハンディ掃除機か?」
信治が出したのは、吸引力が変わらないでお馴染みのあのハンディタイプの掃除機だ。
「まぁね。掃除機なんだけど…ゴミを吸うじゃなくて、相手の魔力とかを吸うんだよね。環さんかデイト様ならわかるかもしれないんですが、魔族の黒い炎とかあれも魔力的な物ですか?」
環が首をかしげる。デイトが信治に答える。
「魔力ではないですが、似たようなものと言うべきでしょうか…似て非なる物です。」
「そうなんですね~。魔力は吸いとるのは確認済みなんですが、魔族に使用してないので使えるかがわからないです。」
マノーリアが信治に質問する。
「吸いとった魔力はどうするの?」
「ここに貯めて、このカートリッジに入る。で、取り出すとグレネードランチャーの弾丸になる。魔力をそのままいただいて、別の魔族に使うも良し、精製して相手のウィークポイントを割り出して攻撃するも良し、いろいろ使い道はあるかな」
一同が目を丸くして驚く、デイトが信治に尋ねる。
「魔力は吸いとれるのでしたら、わたしの眷属で実際に見せてもらえないでしょうか?」
「良いですよ」
皆が庭へ向かい、デイトがはにわのような眷属を3体出現させる。信治がハンディクリーナーを、はにわに向けてかまえトリガーを引くとゴーっと吸い込む音がする。はにわの動きが鈍くなる。
「で、今回は精製モードで、デイト様の眷属の1番の弱点が水か風魔法と判明。今回は風魔法に精製して、ランチャーに装填して発射!」
グレネードランチャーから弾が放物線を描き、はにわの上空で爆発と同時に風魔法が顕現し、はにわが砂になり崩れていく。
「こんな感じですかね。」
「スゲーの作ったな!なんて武器なんだ?」
白檀が感心し質問する。
「ダイソ…」
「その名前だけはやめろ!」
葵が被せるように制止する。
「葵くんなんで?1番ピッタリじゃない?」
「一流メーカーだぞ!もし、異世界転移装置とか作ってメーカーの人がこっち来たらどうするんだよ」
「それはないでしょ…でも、形似てるけど掃除機じゃないからバレても平気な気がするけど、マジックバキューマーかな?」
「そっちにしておけ!魔力吸いとる物作れたんだ、ゴミを吸いとる機能追加なんて、信治には簡単な機能だろ?」
「確かに…」
環がコホンと咳払いをして話を修正する。
「信治さんの武器は、マジックグレネードとマジックバキューマーという事で、どちらも、遠距離攻撃で間違いないですね。もし、横合いから攻められ接近戦になった場合はどうするんですか?」
「ライトショートソードは常に装備します。これからも剣術は柊さんから指導してもらいます。後は、護身用にこれも作りました。威力はそれほどでもないですが…ゴブリンクラスなら急所に当たれば1発で倒せる位の殺傷能力はありますね。」
信治がさらにテーブルにハンドガンを置く、実弾銃でなく、光魔法のライトニング二ドルを圧縮して放つ、レーザーガンらしい。
「10発は打てます。」
「次から次へと出てくるな。弾切れの後はどうするんだ?」
葵が尋ね信治が説明する。
「弾の装填は自分の魔力をマガジンに充填するか、バキューマーに接続して光魔法を精製して充填するか」
環が信治に尋ねる。
「光魔法意外でも作成できますか?」
「できますよ」
「では、全員分適正魔法に合わせたもの作成して下さい。護身用なら全員所持して良いでしょう」
全員が副装備として、ダガーか短刀と信治特性のハンドガンを所持することとなった。環が全員に向けて口を開く。
「これで、みなさんの主武装武器が決まりましたね」
神無月 葵=ブロードソード (デイト加護/紫炎)
如月 マノーリア=薙刀 (デイト助力/紫炎)
文月 梔子=ショートソード・ショートソードブレイカー(二刀流) (斥候/魔力循環)
環=金剛杵 (皇女:女神代行/隊長)
デイト・ア・ボット=霊峰大剣 (眷属神)
文月 白檀=鳳凰の大太刀 (鳳凰加護(神降ろし)/戦闘隊長)
卯月 咲=ショートソード/弓 (斥候/ヴァリアブル)
卯月 花=弓/マジックロングレンジライフル (斥候/ヴァリアブル)
柊=打刀 (神官騎士)
長月 信治=マジックグレネードランチャー/マジックバキューマー (錬金術師見習い)
「今日はこれで終わりにします。明日より長期の旅になります。まずは第一次調査はフォレストダンジョンの神殿です。今日はゆっくり休んで明日に備えてください。解散!」
いよいよ明日葵達はロスビナスシティを出発することとなる。
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冬童話2021投稿用に、連載中のSTRAIN HOLEの世界とキャラクターを使用して短編を書いてみました。
本編を読まなくても、完結するように書いておりますが、時期的なものや状況は本編とリンクさせておりますので、合わせてお読みいただければ、より楽しんでいただけるかもしれません。
【短編】姉妹のさがしもの
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