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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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548-緊急発進

「萌! 主砲で威嚇射撃だ! 急げ! 葵! 麻衣! クー!先行してすぐに出るぞ! 」

「了解! 」


 白檀のいつにない焦りの声が現状の緊迫さを皆に伝えている。葵、麻衣、クーはすぐにブリッジから降り、それに続き白檀も共に向かう。


「環、後を頼む! マニーたちもすぐに準備を! 」

「はい! ご武運を」

「白檀お兄様! わたしも先行します! アイさん、ベルーフさん後発の指揮お願いします! 」

「わかったよ! マノーリア」


 ベルーフが快く快諾してくれるが、アイはマノーリアの脇をすり抜けてブリッジを出る。


「マニーちゃんが行くならわたしも先行するわぁ どう考えたって数が足りないわよぉ 足が速い葵ちゃんたちが先行するのはわかるわぁ いつもの事だものぉ でも、今回は乗れるなら乗るわよわたしは」


 そう言って手をヒラヒラさせてアイも先行組へと加わる。


「わかりました。行きましょう」


 マニーと白檀もアイに続いて葵たちと合流し、葵と麻衣のフライトバイクにマノーリアとアイが便乗する。葵が梔子に声をかける。


「クー!フルスロットルで発進する捕まれ! 」

「了解! 」

「団長もこれ! 」

「助かる」


 梔子は葵のフライトバイクに信治が追加した先にグリップのついたロープを握り横にたつ、フライトバイクに引っ張ってもらうつもりだ。フライトバイクの直線での加速には、梔子も舌を巻くスピードだ。白檀は自身の支獣に乗るが、手には麻衣からロープ受け取る。先行部隊の皆に萌からの通信が入る。


「みんな! 発進したら主砲も射つからね! 射線に入らないでよ! 」

「了解だ! 」


 葵と麻衣のフライトバイクが発進し一気に急降下する。


「みんな捕まって! 」


 萌はWBHを直下へと船先を向け主砲を発射準備に入る。皆に気を使える余裕がない程に焦る萌に誰もが不満なく、萌の指示に従いしがみついている。それを軽減するように、ベルーフが皆にグラビティコントロールで安定させている。


「発射! 」


 萌が主砲のトリガーを引くと、ブリッジの目の前は閃光でホワイトアウトする。守星調査隊が今までにないほどに緊急と緊迫の対応を行った理由は、西部戦線の前線を視認したからだ。


「眷属神お三方に祝福を…… 」


 環は金剛杵をかまえて祝福を顕現させるその相手は眷属神たちである。西部戦線の主力を支えるのは、ウルイドの戦士であるエオローとラーグ、そしてデイト、カーラス、エーテルの3眷属神と3人の眷属たちだったが、エオローとラーグは倒れ、各眷属神たち最強眷属森口倒れており、更に眷属神たち自身も拘束され黒い鎖のような物で拘束され、吊るされていることが判明したからだった。萌の放った高出力の圧縮されたレーサーのようなWBHの主砲が地上を焦がす。上空からでもその威力の程はわかる。眷属神たちを囲うようにできた群衆が散り散りになる。するとより東側に対比した群衆に少しはなれた東側からまた別の群衆が混ざる。おそらく新しい群衆が西部部隊で逃げてきた魔族の群衆に強襲をかけたのだろう。


「よし! 気合いいれろよ! 」


 白檀がグリップをはなして支獣のオーレで突貫し、それに続き梔子も自身の翼で後を追う。白檀がオーレから飛び降り滑空しながら剣技を発動させ攻撃対象へと放つ


「スターマイン! 鉄火斬! 」

「かまいたち! エアエッジ! 」


 続き様に梔子が更に剣技を2連撃を放つ。


「わざわざ殺されにきたのか? 貴様か鳳凰の宿った人間とは」

「あいにくだが死ぬつもりはない! 」


 白檀の太刀筋を見抜き更に梔子の高速の剣技を容易く交わしたのは邪神軍を率いるこの星の悪の根元である邪神である。


「ランドスライド! ディスピア! 」

「小僧邪魔だ! 」


 更に葵が邪神に斬りかかるがそれもかわされる。


「み、みなさんダメです…… 」


 かなり重傷を負っているカーラスが声を振り絞るように皆に声をかける。


「カーラス様今助けます。麻衣さん結界を」


 マノーリアがカーラスに声をかける続けざまに麻衣へと声をかける。


「ええ、任せなさい。演者の眷属! 」


 眷属神3人の周囲へと結界を麻衣が構築し、更に自身の眷属であるダンサーたちを召喚する。


「マニーちゃん周囲の魔族が襲ってくる前に治療をお願いね。幻影も万能じゃないから」

「はい、アイさん」


 アイも妖術を使い周囲の魔族へ幻影を見せている。


「待っていてもいずれ殺してやるつもりだったが、のこのこ現れよって」


 邪神が腰にはいた刀を抜くとその刃には業火のような黒々とした炎を纏い鞘から現れる。邪神は口角を少しだけ上げて目文するように葵たちを順番に見ている。


「クーお前はマニーたちとこいつはオレと葵で何とかする」

「ビャク兄! ふたりでどうなる相手じゃ! 」

「クーオレからも頼む。デイト様たちを」


 白檀と葵の言葉に梔子は仕方なくマノーリアたちに合流する。


「邪神様その小僧はできればわたしに殺させてください」

「こいつが貴様の選んだ獲物か面白いのか? 」

「久々に血の滾る思いです」

「良かろう。もう少し余興を楽しむとするか」


 サタナキアが葵との戦いを申し出ると邪神はそれを了承するのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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